ディープ2世が人気だが「遺伝子過多」で

2016年09月08日(木) 21:28 0 0

11、12日に北海道苫小牧市で行われた国内最大のサラブレッド競り市「セレクトセール2016」。1歳馬対象の11日に1億円以上の値をつけた馬は過去最高の14頭。当歳(0歳)馬対象の12日も9頭が1億円以上の大盛況となった。



“主役”は今年もおなじみのディープインパクト産駒。11日は14頭中10頭、12日は9頭中6頭。セレクトセール=ほとんどディープセールという最近の傾向がより強くなった印象だ。



 ディープインパクト2世といえば、今春ダービー、オークス、皐月賞を勝ってチャンピオンサイアーとしての地位は揺るぎない。さらに、小回り、タフな芝、ダートなど弱点とされた部門も年を追うごとに克服。「ディープ向きではない」レースの典型とされてきた先週(10日)の福島GIII七夕賞も、ワンツー(アルバートドック→ダコール)を果たした。



“未来を買う”競り市では頼れるディープを重視するのは必然。オーナー筋が長期スパンでマークするのは道理なのだが、一方で気になるのは生産界の近未来だ。



 ディープの初年度産駒のデビューは2010年で、すでにディープブリランテ、キズナ、トーセンラーと2世が続々父親となった。さらに母親として“還流”してきたディープ牝馬は相当数いる。残念ながら強い近親交配は強い競走馬を生み出さないだけに生産現場にとって、ディープ遺伝子過多状態にどう対処するかが喫緊の課題になっている。



 一頭の種牡馬に人気が集中する現象はどの国、どの時代にも見られる。先人は知恵と勇気と時の力でこれを克服してきたが、日本の父系寡占状態は実はディープの父サンデーサイレンスに端を発しているだけに根が深い(?)。サンデーサイレンスの血を持つというくくりではすでに飽和状態といえるのだが、一極集中ゆえの破綻というシナリオは取り越し苦労か。

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