山田敬士『あの日』からの3ヶ月を独占告白

2019年02月07日(木) 07:57 1 4

「血の気が引きました。レース後、周りの人から顔が真っ青だと言われて……。僕自身、『終わったな』と思いました。真っ先にペイシャエリートの小笠先生に謝り、その後裁決の方に呼ばれました。怒られる以前の話で、何があったのか事情聴取ですよね。競馬なので、公正的に問題ないかについて聞かれました」

「先輩には『しょうがない、前向きにやれ』と言われましたし、その日の夜、調整ルームで僕の部屋に黛さんと丸田さんが来てくれて、励ましていただきました。助かりましたね。ただその日の夜は全然眠れませんでした…」


小桧山悟師はこの日、東京競馬場にいたが新潟へ急行。「急いで新潟に来てくれました。『謝れる人に謝りに行こう、俺も一緒に謝るから』と言っていただきました。心強かったです。改めていい師匠の元に入れたと思いました」師はその後、山田騎手と共に北海道を回り数多くの関係者に頭を下げた。復帰前くらいの騎乗依頼を得られているのはこの時、師が愛弟子を思い頭を下げ続けた影響も大きいだろう。



「小桧山先生は色々考えられている方で、人間として尊敬しています。ジョッキーである前に、人としてどうふるまうか、人としてどうあるべきかを常日頃教えてくださる素晴らしい方だと思います。先生のような人になりたいです」



「僕はポジティブ思考なので!」と、以前取材した際に彼は言った。そんな自他共に認めるスーパーポジティブ男だが、「さすがに今回は心が折れそうになりました……。ただその後、調教師さんや馬主さん、関係者の方々に声を掛けてもらって、名前を覚えてもらって、自分がひとりではないことを感じました。そして競馬は一人ではできないことも改めて感じさせられましたね。重賞などを勝ってから言った方がいいのかもしれませんが、今回の出来事を通して、騎手として、人として大きくなれたかもしれません」


彼は競馬学校に3度目の受験で合格するなど多くの苦難を乗り越えてきた。これから先も引き合いに出されることは少なくないだろうが、今回の出来事は彼に苦難だけではなく大きな経験と財産を残した。

「今回のことでファンの皆様にも迷惑を掛けてしまいましたが、新たな山田と言いますか、この3ヶ月を通して山田は変わったというところを見てほしいです」そう語る山田敬士が持ち前のバイタリティで前に進み、将来、大輪の花を咲かせることを願わずにはいられない。

みんなのコメント

現在のコメント数1

みんなの投稿ニュース

サービス終了のお知らせ 長きにわたってご愛顧いただきました「みんなの投稿ニュース」ですが、8月22日(予定)を持ちましてサービスを終了することになりました。
長らくのご利用、誠にありがとうございました。
なお、コラムコンテンツにございます「みんなのコラム」は引き続きサービスを提供しておりますので、ご自身で執筆される記事の投稿につきましてはこちらをご利用くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。※記事の転載等は禁止しております。投稿ガイドラインをご確認ください。

ランキング