2014年06月20日(金) 12:00 32
◆血統的な重たさをサンデーで中和したい
社台グループが導入し、今年の新種牡馬の目玉となっているハービンジャー。その競走成績は文句のつけようがない。古馬になって本格化し、夏の欧州最大レース“キングジョージ”において、同レース史上最大着差の11馬身差をつけてレコードで快勝している。
問題は、欧州の重厚なステイヤー血統の凝縮になっている点。そこが評価の分かれるところだが、個人的には、サンデーサイレンスがこの手の欧州のステイヤー血統と相性が良かった点に、注目したい。
最初の成功サンプルとなったトニービンも、その5代血統表には古き良き時代の欧州のステイヤー血統が、これでもかと言わんばかりに詰まっていた。高速馬場にも対応し得るスピードや素軽さも伝えたトニービンだったが、本来は重厚かつ晩成のステイヤー血統だったのである。
サンデーサイレンスとこのトニービンとの配合で・・・
吉沢譲治
血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学~サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2~母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。