2014年09月25日(木) 18:00 87
「少し脚部に不安が出たので、放牧に出しました」と高橋康之師。あら、残念。でも、まだ2歳。ここで無理をしたら大きな故障につながります。
「大事な師匠(池江泰郎氏)の馬ですし、いまはしっかり休んでよくなって欲しいですね」(高橋康師)
というわけで、ネージュドールはいないし、レオパルディナは「ファンタジーSから阪神JF」というので帰ろうとしたところ…。
あら!?すごくいい馬が入ってくるじゃありませんか。栗毛で体高があって、すごく垢抜けてる。お、これはいい馬。取材せずには帰れません。
この栗毛の血統をきくと、父がハービンジャー、母がエルダンジュ。アドマイヤスピカやアドマイヤテンクウの下ですね。向こうから歩いてくる様子がすごく目をひくんです。動きがしなやかで、柔らかみがあって。とにかく、すごく惹かれます。
「全体的にバランスがよく、やわらかい動きをしますね。いい馬を声かけていただいて嬉しいです」と高橋康師。
エルダンジュの2012
入厩直後だとイラついたりするものですが、彼女はとても落ち着いていました。
2歳馬の取材は宝石の原石探しと同じ。アタリをつけていても、その場所に宝石が転がっているとは限らないし、すごくいい原石を調教師がどう磨くかによって光り方が全然違います。高橋康之師は池江泰郎氏の二番弟子。ネージュドールの様子を見に来る師匠に、今でも積極的に疑問を投げかけるそうです。
「ちょっとしたことなどもいろいろ教えてくれて、とてもありがたいです。先日も厩舎の道具の配置で『ここが危ないよ』と指摘してくださって。『あぁ、そうだ! 僕では気づかなかった』と教えられていますよ」(高橋康之師)
そういった細やかなコミュニケーション、そして知恵を受け取る高橋師の真摯な姿勢。この積み重ねがよりよい馬づくりに繋がっているように見受けます。高橋康之厩舎の活躍がとても楽しみです。
最後に。美浦に行く機会があったので、シゲルスダチに会ってきました。
馬房を見回すと、ツノのある芦毛の姿が…。あ!スダチだ!!すぐにわかりました(笑)。硬いものをかじるのが好きで、この日も手綱の端の金具をしきりかじっていましたね。相変わらずです。厩舎によって毎日を過ごす時間割りはもちろん、調教、手入れなど、すべて違います。でも、スダチはたくましいから大丈夫でしょう。
伊藤正徳厩舎といえば、エアジハード、ローエングリンなどを輩出していますが、スダチはエアジハードのいた馬房で暮らしています。出走予定は「まだ美浦にきて日も浅いので、もう少し環境に慣らせたあとになるでしょう。東京開催あたりを考えています」(伊藤正徳師)とのことでした。
シゲルスダチ
西園厩舎の個性的なメンコではなく、まったく違う馬装で競馬場に現れるのでしょうね。とにかく元気で、頑張って欲しいです。
花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)