2015年01月29日(木) 18:00 25
(撮影:高橋正和)
さらに道中でもホッコータルマエの強さを際立たせるシーンがあった。スタートして最初の3コーナーの入口で、内外から寄られて狭くなり、5番手まで位置どりを下げた。それでホッコータルマエは怒るようなしぐさを見せたという。それでもスタンド前で外に持ち出すとすぐに落ち着いた。そして向正面半ば過ぎ、肩ムチを一発入れただけで反応し、直線を向いたところで先に抜け出していたサミットストーンをとらえようかというところで勝負あった。勝ちタイムの2分16秒9は昨年より3秒1も遅く、過去10年でももっとも遅いものとなったが、これは全日本2歳優駿の回顧でも触れたとおり、その開催の前に砂を入れ替えたことによるもの。年が明けても川崎コースは全体的にタイムがかなりかかっている。
現状、ダート中長距離の古馬戦線はホッコータルマエとコパノリッキーの2強だが、コパノリッキーが出遅れたり馬群に包まれるなどすると、ときにレースをやめてしまうような危うさがあるのに対して、ホッコータルマエは逃げても中団からでもレースができるし、多少の不利があってもほとんど動じることがない。それこそがホッコータルマエが安定して結果を残せる強さなのだろう。西浦調教師は、東京大賞典後のインタビューでは、昨年同様に川崎記念とフェブラリーSを使ってドバイと話していたが、今回のレース後の話では、ドバイワールドCが目標ではあるものの、フェブラリーSを使うかどうかは、様子を見ながらということになったようだ。言われているように使いながら調子を上げてくるタイプとはいえ、あまり無理をしない状態でドバイに遠征させたほうがいいのではないかと思う。
2着にはカゼノコ。ジャパンダートダービーを勝ったときもスタート直後に両脇から挟まれるなどして最後方からとなったが、今回もタイミングが合わないような感じでスタート直後は最後方からだった。川崎のこの距離では・・・
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。