2015年04月20日(月) 18:00
でも、皐月賞の2週前の登録が行われた時点で、賞金順位16位。出走が可能になると同時に、鞍上はM.デムーロ(皐月賞6戦3勝)に決まった。なんとしても皐月賞に出走しなければならない。そういう状況ではない立場が、ムリするとテンションが上がり、一族特有の激しい性格が前面に出てしまう死角を封じてくれたのかもしれない。なにが幸いするかわからない。
レッツゴードンキが桜花賞を勝った父キングカメハメハは、これが牡馬クラシック初勝利。いま、勢いに乗っているどころではないからすごい。ドゥラメンテは、合計6頭もの出走馬を送ったノーザンファームの生産馬で、母アドマイヤグルーヴも、祖母エアグルーヴも、3代母ダイナカールもJRAのG1格の勝ち馬である。勝って当然のような基盤にささえられたドゥラメンテは、この圧勝で日本ダービーの最有力馬となると同時に、陣営から秋の「凱旋門賞挑戦」の意志も示された。
ドゥラメンテの皐月賞制覇により、ダイナカール、エアグルーヴが代表するこの牝系は「4代連続してG1馬」となった。その前、4代母はシャダイフェザー(父ガーサント)。5代母が輸入牝馬パロクサイド(父ネバーセイダイ)であり、ドゥラメンテの母方に配されてきた種牡馬は「ガーサント、ノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、そして、キングカメハメハ」。
グループの擁する代表的な成功種牡馬ばかりである。数年前に調べた際、社台グループの繁殖馬名簿にはダイナカールから広がる繁殖牝馬が実に20数頭もいた。素晴らしい輸入牝系はいくつも存在するが、パロクサイドの牝系は、社台グループの歴史とともに歩んできた代表的なファミリーであり、中でも、もっとも大切にされてきたファミリーである。
4コーナーを回りながら、勢い余ってふくれるように斜行し、そこからさらに猛然と伸びて、この快時計1分58秒2(自身の上がり33秒9)を記録。それで最後の1ハロン推定11秒0を切ったか? の鋭さで大楽勝の底力は、名牝系に配されてきた歴代の活躍種牡馬の血の結集かもしれない。だいたい、乗っていたデムーロ騎手が一番びっくりである。
もし、日本ダービーで死角があるとするなら・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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