2015年07月13日(月) 12:00
▲騎手として2児の母として、“仕事、結婚、出産、育児”の体験談を明かします
2011-12年シーズンに、ニュージーランドでリーディングジョッキーに輝き、2013年には通算1000勝を達成。ジョッキーとしてトップクラスの活躍を続ける一方で、2児の母としての顔も持つL・オールプレス騎手。女性にとって仕事、結婚、出産、育児は難しい問題です。今回は彼女の体験談や、サポートしてくださる旦那さんのことを語っていただきました。(取材:赤見千尋)
(つづき)
赤見 日本の競馬ファンのなかでも、リサさんの人気は高いですね。競馬場に行くと声援がすごいですもんね!
リサ ウレシイ! 皆さん、いつも温かい応援をありがとうございます!
赤見 残りの期間は福島で騎乗ですか?
リサ はい。福島で騎乗する予定です(7月26日まで)。もっともっと勝利を積み重ねて、皆さんに恩返しができるように頑張ります。
▲競馬場でファンの声援に応えるオールプレス騎手
赤見 ちょっと話はさかのぼりまして、最初の来日が2002年でしたが、この時のきっかけは何だったのですか?
リサ その当時、シンガポールで騎乗していたんですけど、オーストラリアから来られていたハイランド真理子さん(※)にお会いしたんです。彼女に日本の競馬のことをいろいろ聞いて、「よかったら日本で騎乗してみない?」とオファーをいただいたの。それで行ってみたいと思って。その前の年の自国での成績(リーディング3位)も良かったので、JRAから免許を交付してもらうことができました。
(※オーストラリア在住。アナウンサー、コピーライターを経て、週刊競馬ブック等で執筆)
赤見 最初の時の身元引受人は、美浦の鈴木伸尋調教師でしたね。
リサ ええ。鈴木先生もハイランド真理子さんに紹介してもらったんです。今回お世話になっている二ノ宮先生もそう。おふたりとも、とてもいい先生です。
赤見 最初の来日を終えて、日本の競馬で得たものというとどんなことでしたか?
リサ それはたくさんあります。レースでのペースや位置取りとか、日本の競馬のスタイルはニュージランドとは違うので、とても勉強になりました。そういう騎乗の幅を広げられることが、海外で騎乗する意義でもありますからね。だからチャンスがあれば国際レースに乗ったりとか、海外でも騎乗したいって、当時からずっと考えていたんです。
前回の来日の後は、日本で学んだことを活かしながら自国で一生懸命乗りました。その結果、タイトルも獲れたし、年間1000鞍以上乗ることもできて。そうやって一生懸命頑張ったことで、リーディングを獲ることもできたんです。いろいろな経験を積んで、自信も付けられましたね。
赤見 キャリアアップですね。
リサ ええ。さらに自国での実績があると、今度は海外でのライセンスも取れるでしょう。だからシンガポールへも行けたわけですけど、そこではインターナショナルレースにもいっぱい乗れたんです。国際競走ってその国だけじゃなく、世界中のホースマンが競争に来るわけじゃないですか。そういう経験が、本当に自分の糧になっていると思います。
赤見 また、シンガポール以外にも、世界中に遠征されていますよね?
リサ いろいろ行きましたね。イングランドのシャーガーCに出場したり、マレーシアとかいろいろな所からもオファーをいただいて、たくさんの国で騎乗できたのもすごくいい経験です。
赤見 そういうジョッキーとしてのご活躍と同時に、女性としては、2度の出産も経験されています。お子さんが生まれてからも、ジョッキーを続けているのがすごいと思います。
リサ それは、主人の献身的なサポートのおかげです。主人のおかげで私はレースに集中できるし、ジョッキーも続けていられる。家族のチームワークがうまくいっているのも、主人のおかげですしね。本当に感謝しています。ニュージランドでは、そういう夫のことを「キウイ・ハズバンド」っていうのよ!・・・
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東奈緒美・赤見千尋
東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。 赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。
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