2015年08月31日(月) 18:00 63
これで、新しい新潟1600m(左、外)になって以降、上がり3ハロンに「32秒台」を記録して快走した馬は、次の5頭となった。
2009年 1着シンメイフジ 良1分34秒4 (32秒9)
2011年 1着モンストール 良1分33秒8 (32秒7)
2011年 2着ジャスタウェイ 良1分33秒9 (32秒6)
2013年 1着ハープスター 良1分34秒5 (32秒5)
2015年 1着ロードクエスト 稍1分33秒8 (32秒8)
レース全体の流れは、レース検討で示した最近6年間の良馬場の平均パターンの前後半「47秒7-46秒3」=1分34秒0と、そっくり同一にも近いバランスだった。表面の芝の部分はかなり水分を含んだ稍重で、馬場を苦にした馬もいたが、前後半「47秒6-46秒2」=1分33秒8である。この馬場で良馬場のモデルパターン以上だから、厳しいレースである。
したがって、近年のこのレースをステップにやがて高い評価を受けることになった2011年のジャスタウェイ、2013年のハープスターなどと、だいたい同じような観点から広がる未来を予測することができる。スケールあふれる体つきというのではなく、無駄のない448キロ(今回プラス4キロ)の馬体はまだまだ幼い印象を与えるが、こういうタイプにもっともふさわしい賞賛は、身体が大きくないからこそ「これから抱える脚元などの問題はごく少ない」である。
早熟系ではない。父マツリダゴッホ(その父サンデーサイレンス)が本物になったのは、4歳暮れの有馬記念を勝ってから。マツリダゴッホの母の半弟になるナリタトップロードは1999年の3冠3,2,1着。着実な成長カーブに乗ったパワーアップが望める。
また、ロードクエストの3代母ダイナクレアー(父ノーザンテースト)の全姉は、天皇賞・秋の勝ち馬サクラチトセオー、エ女王杯のサクラキャンドルなどの母サクラクレアーである。来季を見据えた小島茂之調教師の手法に期待したい。
発表以上にタフなコンディションだった稍重馬場で、馬なりのまま上がり32秒8。最後11秒4の1ハロンで後続に楽々と4馬身差。1頭だけ抜けて光っていた。消耗もないだろう。
この新潟2歳Sで台頭し、のちにG1馬となったのは「マイネルレコルト、ショウナンパントル、セイウンワンダー、ジャスタウェイ、ハープスター、イスラボニータ」。みんなタイプが違うから、簡単に可能性の比較はできないが、この2歳Sを勝った時点のロードクエストは・・・
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。