2015年12月22日(火) 12:01 27
長らく『ホースニュース・馬』の本紙予想をつとめ、同紙休刊後には、毎日新聞やnetkeibaで予想を披露している丹下日出夫。スピーディーに情報を出し入れすることが身上という彼の「流儀」に迫った。
月曜日、丹下日出夫の恒例となっているのは、競馬ブックに掲載されている、開催ごとの成績表をコピーすることだ。それを見ながら優れた勝ち時計や上がりタイムを見つけ、マーキングしていく。全場全レースの成績をチェックするが、なかでも根幹距離である1600や2000mに比重を置いてピックアップする。この作業によって、勝ち時計とラップによる客観的な能力比較ができるようになる。予想のベースとなるこの資料作りに、丹下はおよそ30分から1時間をかけるという。
▼およそ3年分の成績表にマーキングがされている
翌火曜日には、特別登録を見ながら特別戦の検討に入っていく。父、母、斤量、厩舎、近走成績……まず全体像を把握し、そこから1頭ずつ分析していく。競馬四季報をめくりながら細かい戦績を確認し、一週前までの調教過程をチェック。1頭ずつイメージを鮮明にしていくことで、その馬にどんな印をつけるかという予想のディテールを固めていく。
なかでも重要視しているのが、前出の成績表である。「その馬が一番能力を出せる条件やコンディションは、勝利時の記録から浮き彫りになる」というのが、丹下の考えだ。手もとには3年分の成績表を用意しておき、各馬の強み・弱みから、印を検討する際の決め手にしていく。自宅には20年分ほど、資料として置いてある。
丹下は基本的に、各馬の検討を1頭1分で終えるようにしている。「予想とは瞬発力の勝負」と彼はいう。幾多の情報を・・・
netkeibaライター
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