2017年02月28日(火) 18:01
ちょっと意地悪(!?)な質問に対して小牧騎手の答えは…
今回はユーザーからの質問特集です。質問に答える形で、年明けの騎乗停止についての反省や、馬に対する雪の影響などを語るなかで、最後には「勝つために主戦場をローカルに替える気は?」という、ちょっと意地悪(!?)な質問も。はたして小牧騎手の答えは──。
(取材・文/不破由妃子)
小牧 そうやねんなぁ。確か何年か前の年明けにも、勝ちにいった競馬で2日間もらってしまったような…。
──2014年の年明けですね(1月6日・京都1R・エノラブエナ1着)。ナムラシンウチについては、「新馬戦のレースぶりは、明らかにスタートから若さ全開でしたね。ああいったケースでは、何か対処法があるのでしょうか?」という質問がきていました。
小牧 ナムラビクターの弟で、兄弟みんな難しいタイプでね。だから気にはしてたんやけど…。ただね、あのレースは、僕もちょっと叩きすぎた。馬も若かったけど、人間も若かった。それはホンマに反省点や。
──デビュー前の調教でも、CWで二度ほど騎乗されていましたよね?
小牧 うん。追い切りでも、まだ思ったように体が使えていない感じ。まぁ若い馬やから当然なんやけど。レースでもハミを取ってくれなくてね。
──ハミを取ってくれないということは、コントロールが利かないということですか?
小牧 いや、コントロールはできる。ただ、自分から行こうとしないということ。走るのを止めよう止めようとするだけで。
──質問にもありましたが、なにか対策とかあるんですか?
小牧 調教で馬の後ろに入れて慣れさせたり、あとはレースで前に行くよう促したり。どちらもやりましたけどね。
──2月4日の2戦目は5着。一度使ったことで、変化はありましたか?
小牧 うん、初戦よりは集中していたような気がする。あの馬はね、ゆくゆくは走ってくると思うよ。血統もいいし、馬体もいいし、雰囲気的にもそう思わせるだけのものはあるからね。
──続いては、馬や競馬に対する雪の影響についての質問がいくつかきていまして、「先日は雪の影響で開催を中止する事態となってしまいましたが、前日の中京では、雪が舞うなかでレースが行われていました。レースによっては吹雪いていたほどで、事故が起きたりしないかとヒヤヒヤしながら見ていましたが、乗っている側としては、雪が舞うなかでの騎乗にはどんな危険性を感じますか?」というものです。
小牧 雪が舞っていたら、単純に前が見えないよねぇ。
──雨と比べても…
小牧 ああ、比べものにならないくらい見えないよ。積もってくれば引っ付くしね。だから積もったらダメです。
──引っ付くとは?
小牧 馬は蹄鉄を履いているでしょう。だから、歩くだけで下駄を履いたように雪が引っ付いてしまうんですわ。10センチとか15センチとかの下駄を履いているみたいになってしまうんよ。
──なるほど! それは知らなかったです。
小牧 あ、ホントに? 鉄を履いてなかったらそうはならないけど、履いている状態で雪の上を歩いたら、とんでもないことになるよ。あの体重で踏みつけるから、蹄の下で雪が固まって、それがどんどんどんどん高くなって。
(鉄を)履いている状態で雪の上を歩いたら、とんでもないことになるよ
──そういう危険もあるんですね。
小牧 そうやで。むしろそれが一番。それに、雪が降ると芝はとくに滑るしね。
──続いては、「ちょっと意地悪な質問ですが…」という前置きがありまして、「“勝てないのはつらいし、ひとつでも多く勝ちたい”とおっしゃっていますが、小牧さんならば、京都や阪神ではなく、ローカルを主戦場にすれば勝ち星がもっと増えると思いますが、いかがでしょうか?」という質問です。
小牧 「乗り馬がいれば、どこにでも行く」とはいつも言うてるんですよ。でもむしろ、こっち(中央)じゃないと馬が集まらんのでしょう。
──ローカルに行くと、騎乗馬の質がグッと上がるジョッキーも確かにいますが、小牧さんはちょっと違うような。
小牧 ん〜、わからんけど、そうなったら完全にローカルジョッキーになるやろ? それがダメとかいう気持ちはないねんけど…、今のところそういう考えはないね。まぁ、乗る馬がいれば、どこにでも行くというスタンス。
──たとえば、冬の小倉にフル参戦してみようとか、そういうお気持ちはないということですよね。今年は実際に、一日8鞍、9鞍の日も少なくありませんし。
小牧 そうやね。こっちのほうが乗り馬がいるから、こっちで乗っているわけでね。たとえば、小倉にフルで行ったからって、僕の場合はあんまり関係ないと思いますわ。
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小牧太
1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。
プロフィール
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