『ルメール、デムーロ、モレイラ』の時代になるのは自然の成り行き/キーンランドC

2018年08月27日(月) 18:00 56


◆秋本番に直結というには物足りない内容で…

 期待の好カードは、あっけない結果だった。勝ったのは人気の5歳牝馬ナックビーナス(父ダイワメジャー)。全体に少し時計のかかる馬場コンディションがぴったりだったこと。高松宮記念の小差3着を筆頭に、オーシャンS2着、函館スプリントS3着など、一連の重賞で大接戦してきた総合能力に、思いのほか楽な流れ「33秒7-35秒7」=1分09秒4で先手が取れたことが重なったのが完勝の要因か。

 だが、やっぱりその形を作ったJ.モレイラの巧みな騎乗が大きいだろう。Cコースに移って2週目、渋った芝コースは思われていたよりはるかにインコース有利だった。それを読んだモレイラの強気の先手主張だった。

 前後半の差が大きく「2秒0」もあっては、ふつうは厳しい前傾のハイペースだが、この日の芝は先行した3歳ダノンスマッシュ(父ロードカナロア)がそのまま2着に粘り込み、その直後にいた伏兵ペイシャフェリシタ(父ハーツクライ)が惜しい3着だったように、先行してインを通った馬が簡単に失速しないコンディションだった。

 後半3ハロン35秒台前半でまとめたライバルは何頭もいたが、この距離で4着キャンベルジュニア(父エンコスタデラゴ)以下は4馬身以上(0秒7)も離されたままだから、少々きついくらいのペースでも先行タイプ有利を読み切っていたモレイラの勝負勘(ヘッドワーク)が断然、光った。

 モレイラ騎手のJRA重賞初制覇は、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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