2019年03月20日(水) 18:02 82
▲佑介騎手がちょっとお金を積んででも(笑)盗みたいという、福永騎手の技術とは?
昨年の3月までnetkeibaで、4年間にわたって連載コラム『祐言実行』を担当した福永騎手。“ジョッキー”ならではのメッセージをたくさん発信してきました。その役割を後進の佑介騎手らに託し、自身のコラムの終了を決断。あれから1年。今度は“ゲスト”という立場に変え、netkeibaに登場。新旧コラムニストの貴重な対談、第2回となる今回は、佑介騎手も「群を抜いている」と羨む福永騎手のスタートの上手さと、今月末に控えた大阪杯について語ります!
(取材・文=不破由妃子)
佑介 祐一さんは、総合力の高さはもちろんですけど、なかでもスタートに関しては群を抜いていますよね。その都度アドバイスをもらっていますけど、はぐらかされることもあるので、いつも盗み見ています(笑)。
福永 若い子には具体的なアドバイスをすることもあるけど、佑介は同じステージで戦っているから、細かいことまでは言えない。簡単には習得できないような技術ならまだしも、そうじゃないから余計にね。
──「スタートのコツに関しては、1から10まで理論的に説明できる」と『祐言実行』でも書いていらっしゃいましたよね。
佑介 全然説明してくれない! たまに「さっきの俺のスタート、見た?」とか言って、自慢されることはありますけど(笑)。まぁ僕もすべてを教えてもらえるとは思っていないから、核心に迫るような質問はしませんけどね。
福永 俺ね、ゲートが開く瞬間がスローモーションで見えるときがたまにあってね。普通、フライングぎみのスタートのときって、だいたい人間の体が遅れてしまうんだけど、スローモーションで見えるときは、それに合わせて自分の体も出していける。
佑介 それはすごい。スタートって、一瞬にして静から動に移る行動だから、気持ちの面がすごく大きいと思うんです。その点、おそらく祐一さんは「自分が一番速い」という自信を持っているから、それだけ余裕があるんじゃないかと。要するに、「出遅れたらどうしよう」みたいな不安が微塵もないというか。
福永 たしかに一番の秘訣は? と言われたら、・・・
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。