2020年12月07日(月) 18:01 41
▲師匠の証言で、心優しい“ハート騎手”の素顔が明らかに (C)netkeiba.com
この夏、函館と札幌で17勝を挙げ、一気に存在感を示した亀田温心騎手。デビュー当初は「はーと」という名前ばかり注目されがちでしたが、2年目の今年は函館2歳Sでフォドラを僅差の4着に。さらに、昨日のチャンピオンズCでGI初騎乗を果たし、今週末のカペラSで自厩舎のヒロシゲゴールドに騎乗することも決定! 師弟コンビで重賞初制覇を狙います。
ジョッキー人生の始まりを振り返ると、北出成人厩舎に所属が決まったのは亀田騎手のお母様の勤め先がきっかけだったとか…? 意外すぎる所属厩舎決定のエピソードから、「最初に必ず〇〇を食べる」という師匠からのタレコミ情報まで、師弟対談をたっぷりお届けします。
(取材・構成=大恵陽子)
――今日は師弟対談ということでよろしくお願いします。改めて、亀田騎手がジョッキーを目指したきっかけから教えてください。
亀田温心騎手(以下、亀田騎手) 実家が京都競馬場の近くで、小学校の頃に京都競馬場の少年団で乗馬を始めて、それから競馬を見るようになって騎手を目指しました。
―― 一般家庭のご出身ですよね。それだと、競馬学校に入ってから所属厩舎が決まったんですか?
北出成人調教師(以下、北出師) これがね、また話せばアレなんですよ(笑)。栗東トレセンの目の前に安井酒店ってあるんですけど、そのお兄さんが淀で安井酒店をされていて、昔は馬主もされていました。
私が開業した頃に馬を預けてもらったり、その息子さんが調教助手をされていて、大根田裕也厩舎で定年まで一緒に働いていました。
ある日、安井助手とお兄ちゃんが私のところに訪ねてこられて、「亀田温心という子が競馬学校に受かって、そのお母さんがうちで働いていたんです」と。
――え! 京都の安井酒店で?
北出師 そうなんです。こんなご時世だから、僕もアンちゃん(新人騎手)を引き受ける余裕も勇気もなかったんですけどね、そういう経緯なら引き受けましょうって。
亀田騎手 安井さんと母が知り合いなのはずっと前から知っていたんですけど、そこからまさかこんな巡り合わせがあるとは思っていませんでした。
――偶然にも北出調教師も一般家庭のご出身ですが、お互いの第一印象は?
北出師 少年団の馬術でいい成績をあげていたっていうのは聞いていて、実際にソツなく乗ってくるし、ゲートもこの子が乗ったら、出ない馬でもポンと出るようになりました。だから、馬乗りに関してはまずまずかなぁとは思っていました。
亀田騎手 優しそうというかすごく雰囲気のいい先生で、厩舎研修では先生も厩舎のスタッフもすごくいい雰囲気でやりやすくて、「いい厩舎に入れたな」と思いました。
――不思議な出会いから所属が決まり、デビュー2年目のこの夏は北海道で活躍が目立ちました。好成績を残せた理由はご自身で何だと思いますか?・・・
netkeibaライター
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