2021年04月02日(金) 18:00
独特のコース形態の中山芝1600mは、レースの流れ、芝コンディション、枠順が結果に大きな比重を占める。ごく順当という決着はめったにない。
今週から移動柵が「A→Bコース」になる。願い通りの内枠2番を引いた伏兵ボンセルヴィーソ(父ダイワメジャー)に注目したい。5走前の京成杯AHをトロワゼトワル、今回も対戦するスマイルカナと「ハナ、ハナ」差の3着したときが同じ内枠2番だった。今回、人気のスマイルカナも好枠1番だが、京成杯AHを2着した際のスマイルカナは軽ハンデ52キロ(今回は3キロ増)。ボンセルヴィーソは勝っていないから当時と同じ55キロ。逆転があって不思議ない。
7歳ボンセルヴィーソの通算成績は【3-5-8-19】。昨2020年のダービー卿CT2着、2歳時のデイリー杯2歳S2着、3歳時のファルコンSも2着の賞金加算があるのでオープン馬だが、かなり物足りない善戦ホースの成績である。まして馬券に絡んだ計16回はすべて1600m以下に限られている。
だが、あと一歩が足りないイメージが浸透して、ここまで1番人気になったことなど一度もない。でも、伏兵として16回(出走回数の約半分)も馬券に絡んでいるから侮れない。人気上位になったら控えたい馬だが、伏兵の1頭止まりだろう。調子に変動の少ないタイプで、前走の東風Sを、今回も対戦するトーラスジェミニのクビ差2着時より追い切りの動きはシャープだった。
7勝馬なのにトーラスジェミニも1番人気になったことがない地味な馬。それもあってかリステッドレースを勝ちながら負担重量1キロ減だが、連動してボンセルヴィーソは2キロ減となった。
父ダイワメジャー(20歳。その父サンデーサイレンス)は2004年の皐月賞馬。2006年の天皇賞(秋)2000mも制している。種牡馬となっても大成功し、今年を含めてもう10年も連続してランキング10位以内を続けている。
その産駒は、GI3勝のアドマイヤマーズ、先週の高松宮記念2着のレシステンシア(阪神JF勝ち馬)など、すでに40を超すグレードレース(交流重賞を含む)を勝っている。
ところが、ダイワメジャー自身は2000mのGIを2勝し、4分の3同血の妹ダイワスカーレットは2500mの有馬記念も勝っているのに、ダイワメジャー産駒はカレンブラックヒルが1800mの重賞を2勝しただけで、2000m以上の重賞未勝利。重賞好走はマイル以下に限られる。
スケールうんぬんは別に、ボンセルヴィーソの距離適性はダイワメジャー産駒の特性そのものということになる。しぶといスマイルカナ、混戦向きカテドラル、仕上がっているルフトシュトローム本線に少し手広くいきたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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