2021年05月19日(水) 18:02
▲最終回のテーマは「調教師として」 (撮影:福井麻衣子)
蛯名正義調教師をお迎えしての対談は、今回が最終回です。ラストのテーマは「調教師として」。奥様も「営業できる? 」と心配されていたそうですが、「こう見えてめっちゃ頭下げるよ(笑)」ときっぱり。そこには、スタッフさんを抱え、馬主さんの財産を預かる“調教師”の仕事への覚悟がありました。
ご自身でも楽しみという「調教師・蛯名正義」のビジョンに迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
※対談はマスク着用で行いました
──調教師への転身を考えるにあたって、どういったきっかけがあったのですか?
蛯名 2018年に二ノ宮敬宇先生と小島太先生が辞めて…。どちらの厩舎も一番馬は全部俺に乗せてくれていたから、そういう厩舎がなくなったことで考えるようになった。後押ししてくれる馬主さんもいたし、これはひとつのタイミングなのかもしれないなと思ってね。
俺が二ノ宮先生や小島太先生にお世話になっていたように、今度は自分が返す番なのかなとも思ったし、だったらエネルギーがあるうちにやらないとダメだめだよなって。妻に話したら、「あなたは調教師には向かないわよ。営業なんてできないでしょ!」って散々言われたけど、俺ね、こう見えてめっちゃ頭下げるよ(笑)。
佑介 アハハハ!
蛯名 だって、そういうところにプライドないもん。その点は見た目とは違うんだよね。
佑介 蛯名さんの性格は調教師に向いていると僕は思います。長期的な視野を持ってコツコツと努力できるし、目標のために突き進める強さもありますし。厩舎ができて、スタッフという守るべき存在ができたら、よりそういうところが武器になってくるんだろうなって。
▲「蛯名さんの性格は調教師に向いていると思います」 (撮影:福井麻衣子)
蛯名 そんなふうに言っていただけてうれしいです。期待に応えられるように頑張ります(笑)。
佑介 蛯名厩舎の馬に乗りたいがための営業トークかもしれませんよ(笑)。
蛯名 あ、そうか(笑)。佑介だって調教師に向いていると思うよ。敵を作らない感じだけど、意外なほどに芯はしっかりしていて、言うことはちゃんと言う。会議とかでも、理路整然と自分の意見を言うもんね。でも、まだ調教師云々の話をする年齢じゃないよな。まだまだこれから上があるわけで、同期に負けてる場合じゃないんだから(笑)。
佑介 「あと何年乗るの?」とか「調教師になるの?」とか聞いてくる人が多いなか、蛯名さんはいつも「なにやってんだよ。同期に負けてんじゃねぇよ」って発破をかけてくれるんですよね。ホントにありがたいです。
──技術調教師としての1年間は、どういうプランを立てているんですか?・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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