2021年08月10日(火) 18:00 20
レパードSをメイショウムラクモで制した柴田善臣騎手が、JRAの最年長重賞勝利記録を55歳0カ月10日に更新したことが話題になった。従来の記録は、2002年にステイヤーズSをホットシークレットで制した岡部幸雄騎手の54歳0カ月31日で、じつに19年ぶりの記録更新となった。
ところでそのレパードSと同じ8月8日、佐賀の九州チャンピオンシップをドゥラリュールで制した鮫島克也騎手は、柴田善臣騎手より3歳上、1963年1月30日生まれの58歳。地方競馬では大井の的場文男騎手を筆頭に、まだまだベテランジョッキーが現役で頑張っている(以下、成績、年齢等は8月9日現在)。
その的場騎手は64歳。1956年9月7日生まれで、間もなく65歳になる。御存知のとおり、地方競馬の通算最多勝記録を更新し続けており、現在7350勝(ほかに中央4勝)。昨年3月に64歳で引退した森下博騎手(川崎)が保持していた、地方競馬での最年長勝利記録、最年長騎乗記録も代わって的場騎手が更新中。
また最年長重賞勝利記録は2018年9月19日にシュテルングランツで東京記念を制したときの62歳0カ月12日となっている。的場騎手が「人生の宿題」と語るのは、これまで2着10回という東京ダービー制覇。今年は羽田盃3着だったランリョウオーに騎乗予定だったが残念ながら回避。代わってトーセンマッシモに騎乗したが10着だった。騎乗数が少なくなっているとはいえ、今年ここまで316戦32勝と、勝率1割をキープしているのはすばらしい。
2番目の現役年長は兵庫の川原正一騎手で、1959年3月14日生まれの62歳。地方通算5646勝(ほかに中央73勝)は地方歴代4位、現役では2位。2013年には年間267勝をマークし、54歳で地方全国リーディングとなったのは“あっぱれ”だった。
3番目は愛知の丹羽克輝騎手で、1959年3月16日生まれは、川原正一騎手とわずか2日違い。地方通算1627勝。続いて大井の早田秀治騎手が1960年1月5日生まれの61歳。地方通算1028勝(ほか中央2勝)。1991年には大井のジョージモナークで中央のオールカマーを制した。現役の60歳代はここまで4名。
5番目は“ミスターピンク”で知られる浦和の内田利雄騎手で、1961年10月5日生まれの59歳。地方通算3568勝(ほか中央3勝)。もともと所属していた宇都宮競馬(栃木)ではリーディングの常連。宇都宮競馬廃止後は、“短期所属替”(当時)として、数カ月ごとにさまざまな競馬場に所属して騎乗。現在の期間限定騎乗制度のきっかけをつくった功績は大きい。中央では2002年のラジオたんぱ賞(現・ラジオNIKKEI賞)をカッツミーで制している。
6番目は佐賀の兒島真二騎手で、1962年8月22日生まれの58歳。地方通算2556勝。デビューしたのは名古屋で、2015年2月、52歳で佐賀に移籍。2020年にはトップレベルで九州ダービー栄城賞を制するなど一線級で活躍している。
そして7番目が鮫島克也騎手。地方通算5041勝(ほか中央30勝)は、川原正一騎手に次ぐ歴代5位、現役3位。2015年8月29日、小倉のひまわり賞では、息子の良太騎手、克駿騎手と父子3人での騎乗が実現。良太騎手の6着が最先着だった。また同年12月23日、佐賀競馬でのJRA交流・ノカイドウ特別およびミヤマキリシマ特別でも父子3人で同時騎乗。ノカイドウ特別では良太騎手の3着、ミヤマキリシマ特別では克駿騎手の2着が最先着だった。
なお、ばんえい競馬の騎手では、藤野俊一騎手が1960年8月15日生まれの60歳で、通算3445勝。藤本匠騎手が1962年2月9日生まれの59歳。通算4486勝は、ばんえい競馬の歴代最多勝記録を更新し続けている。
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。