ルメール騎手の冷静さ

2023年06月30日(金) 12:00

CBC賞の注目馬たち

 上半期のGIが終了しましたが、先週の宝塚記念、どのような感想をお持ちになられましたか?

 私は大きく2つ。

 まずはルメール騎手の冷静さ。

 前半はイクイノックスのリズムを大事にするレース運びだったように思えます。この背景にはスタートで少しバランスを崩すようなところあった点に加え、これまでになくパドックではソワソワとしていた印象も…。

 そんな全てのことを踏まえ、スタート直後に、阪神2200m内回りのセオリー競馬ではなく、この馬の気持ちとストライドを大事に馬場の選択も含め切り替えたと思えるルメール騎手の判断と手綱捌きが素晴らしく思えましたし、何よりも逃げる形となった前走後の競馬で海外帰り緒戦、また栗東滞在など、いろいろとアウェイな状況や環境の中で勝利を手にした背景にアッパレ。

 まさに、「この馬に相応しい騎手であり、この騎手に相応しい馬」と思えるベストコンビ。

 拍手です。

 そして2つ目がスルーセブンシーズ。

 当日、パドックでは分からなかったのですが、返し馬に行ってから&ゲート裏での雰囲気が抜群に良く見えました。

 池添騎手も、「ゲート裏では自分からムードを出していて」とありましたが、1頭目立つオーラを発しており、その感覚が間違っていなかったことにホッとすると共に、それだけに最後、進路を切り替えなければならなかった点は、池添騎手も悔やまれるところだったのではないでしょうか…。

 さて今週から福島・中京が開幕。

 日曜日に行われるハンデ重賞CBC賞ですが、現時点での注目は主に2頭。

 まずは8マッドクール。今回、58.5kgの斤量は少し気になりますが、2走前の相手はナムラクレアとファストフォース。負けはしましたが、キャリア7戦目での初重賞挑戦と内容を考えれば、この先が楽しみになる内容でしたし、前走においても番手からのレースで着差以上の強さに映りました。また2着馬は函館SSを圧巻の強さで勝利したキミワクイーン。休み明けとなりますが坂路での追いきりも良く映りましたし、期待します。

 そしてもう1頭が6スマートクラージュ。

 この馬はテンのスピードがあるタイプで1400mよりは1200m向きの印象ですし、上のクラスでペースが流れた方がレースをしやすそうなタイプ。また前走の休み明けは今までの休み明けの中でも1番ユルサがないように思え、成長も感じます。追いきりでもパワフルな動き。状態の良さが伺え、イッパツありそうな気もします。

 あとは中京コースがプラスと働きそうな1ヨシノイースターや中京巧者9トゥラヴェスーラにも魅了されます。

 それでは皆さん、また次週お目にかかりましょう。ホソジュンでしたぁ。

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細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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