2024年02月06日(火) 12:00 42
いまの競馬では速い上がりを使えるということが大きな武器であり、共同通信杯においてもそのような傾向が出ている。
過去10年で見ると、前走で上がり最速をマークしていた馬が7勝しており、他は前走上がり2位と5位タイから1頭ずつ勝ち馬が出ているだけだ。足して10頭にならないのは前走のホープフルSを取り消していたディーマジェスティがいるからなのだが、同馬はホープフルSのさらにひとつ前の未勝利戦では上がり最速で1着。これを入れれば前走上がり最速からの共同通信杯勝ち馬は10年で8頭ということになる。
前走上がり最速だけでなく3位以内という括りと4位以下で比較しても共同通信杯における成績差は明らか。前走上がり順位が単に能力を反映しているということもあるが、「しぶとく残す」タイプが通用しづらいのがこのレースでもあるのだろう。・・・
須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。