最後のひと伸びで勝利をつかんだプリンシアコメータ/レディスプレリュード回顧(斎藤修)

2018年10月13日(土) 11:50 3 3

ゴール前のひと伸びで勝利を掴んだプリンシアコメータ(撮影:高橋正和)

 JBCレディスクラシックへ向けてということでは、芝路線からの参戦でもない限り、ブリーダーズゴールドCを勝ったラビットラン以外、ほぼ有力牝馬がここに顔を揃えた。

 1800mが初めてのニシノラピートが内枠に入ってどんなペースで逃げるのかと思ったが、的場騎手が抑えてがっつりペースが落ち着いた。3F目と4F目に13秒台のラップがあって、1000m通過が63秒6。2番手を追走していたディアマルコは3コーナーあたりから後退。逃げていたニシノラピートも4コーナーでプリンシアコメータに並びかけられると直線では抵抗できなかった。最後は瞬発力勝負となって、レースの上りが38秒1のところ、37秒台の脚を使った3頭が上位を占めた。

 直線、プリンシアコメータが単独先頭で、残り50mあたりでブランシェクールがとらえたかという場面もあったが、プリンシアコメータはゴール前でもうひと伸びして振り切った。単独で先頭に立つと、うしろから来るのを待ってしまうクセがあり、それでも馬が来ればまた伸びるのだそうだ。

 ブランシェクールは向正面ではプリンシアコメータの直後をぴたりと追走していたものの、プリンシアコメータがペースを上げた3コーナー過ぎで2馬身~2馬身半ほど差を広げられてしまった。それでも直線半ばからは、まさに差し切るような勢いで、あれで差し返されたのでは仕方ない。ゴール前、馬体を併せに行くのではなく、離れて外から追い込んだらどうだったか。とにかく惜しい2着には違いなく、吉原寛人騎手は検量室前で悔しそうだった。

 ブランシェクールは中央所属として出走したTCK女王盃で2着と好走したあと、そのまま大井に移籍。川崎の準重賞では2着と好走したが、その後、スパーキングレディーC、ブリーダーズゴールドCは差のある5着、6着。その3走が中央時代にはなかった520kg台で、今回は前走ブリーダーズゴールドCからマイナス14kgの512kgでの出走。中間、外厩の坂路で強めに追われて絞られ結果につながった。しかし関係者にしてみれば、あそこまでいったら勝ちたかったところだろう。この好走で、選ばれればJBCレディスクラシックへ出走となるようだ。

 何より驚かされたのが13番人気で3着に突っ込んだアルティマウェポンだ。3コーナーではアンジュデジールよりうしろだったが、4コーナーでアンジュデジールが大外を回ったのに対して、アルティマウェポンの真島騎手は内を突いてのコーナーワークで一気に位置取りを上げた。中央では1000万条件で5着が最高という成績で、移籍した北海道でも3戦してパッとした成績がなく、真島騎手の好判断もあったとはいえ、見た目にもわかるメンバー中最速の上りは鮮烈だった。

 期待の1頭、アンジュデジールはスタートでタイミングが合わず最後方から。道中は余り無理せず、それでも4コーナー9番手から直線はしっかり脚を使って4着。次に繋げる競馬をした。

 ワンミリオンスは、昨年4連勝でエンプレス杯を制したときは女王級と期待されたものだが、その後はさっぱり。それでも大きく負けるわけではなく、着順は4、5、6という数字が並ぶ。馬がそういうところで妥協する競馬を覚えてしまったのだろうか。

 単勝1.7倍の断然人気に支持されたクイーンマンボは7着。2コーナーを回って向正面に入ったあたりから鞍上が手を動かしても位置取りを上げられず、というのは前走ブリーダーズゴールドCとまったく同じレースぶり。平安S2着の激走は何だったのか。中央に戻ればまた変わるのだろうか。

 今年のJBCは舞台が京都。牝馬のレディスクラシックのみならず、スプリントも、クラシックも、地方で行われた前哨戦とはかなり違った結果になると思うのだが、どうだろう。

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