「なんじゃコイツは」中塚助手が驚いたスタミナ/トレセン発秘話

東京スポーツ

2018年10月17日(水) 18:00

「スタミナ」には中塚助手が早い時点で手応えを感じていたメイショウテッコン(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 これまでの競馬ぶりを見ると、どうにも前進気勢が強過ぎるきらいがあるメイショウテッコン。前走の神戸新聞杯(3着)にしても、スタート後に頭を上げて、自ら前に出ようとする動きを見せており、果たして菊花賞の3000メートルで落ち着いて走れるのかという疑問が浮かぶのだが…。調教をつける中塚助手によれば、前走は“アクシデント”があった割に、すぐ収まりがついた評価すべきレースなのだという。

パトロール映像を見れば分かりますが、スタート後に外から馬が寄ってきて狭くなり、その後に内から外に出てきた馬に体をぶつけられているんです。結構ゴチャついたんですけど…。それでも少しハミをかんだくらいで、すぐ落ち着けた。あの走りを見ると、3000メートルでも大丈夫なんじゃないかと思います」

 なんでも意識的に併せ馬を多く組むことで「“近くに馬がいても大丈夫”って入念に教え込んできた」のだとか。それが秋になって実を結んできたのかもしれない。

「折り合い」がオーケーなら、あとは「スタミナ」。この点に関しては早い時点で手応えを感じていたようだ。

「春先だったかな。調教でウッドコースを2周半回ったことがあったんですが、ホームストレッチに来るたびに、15-15くらいにペースを上げ、しかも最後の直線で、まだ加速して行こうとしたんです。その時“なんじゃ、コイツは”ってびっくりしましたよ」

 その持久力の片鱗は1000メートル通過58秒5という、よどみないラップで逃げながら、掲示板に残った5月の京都新聞杯で見せている。

 前&内で運んだ馬が有利となる現代の菊花賞。1800メートルを1分45秒台で走破できるスピードだけでなく、スタミナも持ち合わせた、このメイショウテッコンが道中、息を入れながら、うまく走れれば…菊のVシーンは十分に見えてくる。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

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