阪神大賞典で
ケントオーの馬券を買い、モニター観戦していたファンは、不思議に思ったのではないだろうか?
勝負どころで外から上がってくる勢いは十分。これなら馬なりのまま先頭に並びかけようとする
シャケトラにはかなわなくとも、2、3着は十分あるはず――。少なくとも
シャケトラ=
ケントオーの馬連&ワイドで勝負していた坂路野郎はそう思った。が、画面が切り替わった瞬間、さっきまでの勢いはどこへやら。完全にスピードが落ち、流れ込むだけの
ケントオーがそこに映っていた。
まさに「?」まみれの坂路野郎。その疑問は、4角で大きく
バランスを崩すアク
シデントがあったという事実を後から聞いて解消されることに。
「故障したと思ったほどでした。一旦、追うのをやめて、そこからまた追いだしたんですが…。あのアク
シデントは痛かったですね。本来ならあそこから伸びてくる馬なので」とは手綱を取っていた幸の弁だ。
なんでも、当時の阪神芝は同じところで、
ケントオーのように
バランスを崩す馬が複数頭出ており、2週後の4歳上500万下では
ダイシンクイント騎乗の
荻野極が落馬。その後、騎手会から要望があり、
JRAが調査した結果、「芝丈が長く、それで上滑りする馬が出た」と原因が解明され、その部分の芝を刈ることで一件落着となったのだとか。
競馬に「if」は禁物と言われるが、あのアク
シデントがなかったとしたら、一体どこまで
ケントオーはやれていたのか? そこが気になる。
「まあ
シャケトラにはかなわなかったでしょうが…。あの時点での手応えは良かったし、それ以外の馬ならなんとかなっていたんじゃないかと思います」(幸)
長くマイル路線中心に走っていた馬が、長距離路線へ。この熟年にきての“転職”を「ひっかかってしまうから、ずっと長い距離は使っていなかったんだけど、もともと獣医さんも“長い距離向きの心臓をしている”と言ってくれていたんです。2000メートル以上のレースを使うときは毎回、舌を縛るようにして、折り合いも問題なくなりましたからね」と解説してくれたのは
ケントオーを担当する高橋厩務員だ。
「さすがに前走がすごくいい状態だっただけに、あれ以上となるとどうかですが、引き続き元気はいいですよ。少し硬さはあるけど、もともと、そういうタイプだし、競馬に行けば、しっかり走ってくれるので」
もしも、あの時…。その答えを坂路野郎は
天皇賞・春でぜひ問いたい。もう
シャケトラとの馬券を買えないのはちょっと寂しいが、今回の相手は友道厩舎の
エタリオウ、
ユーキャンスマイルの2頭で大丈夫だろうと思っている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
2019/4/24 18:28
いや、いいコラムだったよ