前身の
北海道2歳優駿もそうだったが、歴戦の地元北海道勢と、経験の浅い中央勢の力関係の比較が難しく、第1回
JBC2歳優駿として行われた今回も波乱の決着となった。
デビューからダート1800mの3戦で逃げるか2番手でレースを進めていた
カズカポレイが逃げ、芝の
函館2歳Sで2着と好走した
ルーチェドーロが離れず2番手で、向正面に入ると早くも縦長。見た目にも緩みのない流れで、1000m通過60秒9はいかにも速かった。
3番手につけていた地元の
ブライトフラッグが3コーナー過ぎで先頭に立ったが、すでに鞍上の手は目いっぱいに動いていた。その直後から追いかけた
レイニーデイが、直線残り200mを切って前をとらえたが、それでもタイミングは早かった。
逃げた馬、さらに早仕掛けの馬が、先頭に立ってはバテるという目まぐるしい展開。そのペースを読んだのは、昨年に続いての北海道リーディング、
石川倭騎手の
ラッキードリームだった。
縦長の道中は中団でじっくり構え、位置取りを上げていったのは3コーナーから。残り100mで
レイニーデイをとらえ、抜き去った。前夜の雨で不良馬場だったとはいえ、勝ちタイムの1分53秒4は、同じ1800mの前哨戦、サン
ライズCの勝ちタイムより3秒も速いもの。
そして1コーナーを最後方で回り、3コーナーでもまだうしろから3番手だった
トランセンデンスが直線一気に追い込み、クビ差まで迫って2着。地元馬のワンツーは、格付こそ
北海道2歳優駿を引き継いでのJpnIIIだが、“JBC”というタイトルが付いたことでの、地元関係者の意気込みの現れであったかもしれない。
レイニーデイは3着に粘ったが、逃げた
カズカポレイは最下位14着、2番手で追いかけた
ルーチェドーロは10着。いかに前の流れが速かったかがわかる。それを考えれば、3コーナー過ぎで早め先頭の
ブライトフラッグが4着に粘ったことは評価できる。
1、2着馬は、6、13番人気という決着だが、9月3日のサッポロクラシックC(1700m)と同じワンツーでもあった。4着の
ブライトフラッグも含め、3歳になって中距離路線での活躍が期待できそう。ただその序列は、今後の成長次第でいくらでも変わる可能性はある。
生産者が主導するJBCが始まったのは2001年のこと。そして20年目にして馬産地・
門別競馬場で実現したのが、生産から直結する2歳戦。その舞台で、地元ホッカイドウ競馬所属馬のワンツーという結果は、意義深いものとなったに違いない。
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