【AJCC】キングオブコージ 1年8カ月ぶり復活V 上がり最速ねじ伏せた

デイリースポーツ

2022年01月24日(月) 12:10

 AJCCを制した横山典騎乗のキングオブコージ(中央)。左は3着の横山武騎乗のボッケリーニ(撮影・園田高夫)

 「AJCC・G2」(23日、中山)

 後方を進んだ3番人気のキングオブコージが、メンバー最速上がりで差し切りV。骨折による長期離脱を乗り越えた素質馬が、20年目黒記念以来となる2つ目のタイトルを手に入れた。2着に11番人気のマイネルファンロン、3着には4番人気のボッケリーニが入り、3連単はレース史上最高となる70万円超えとなった。なお、1番人気のオーソクレースは伸びを欠き6着に沈んだ。

 1年8カ月ぶり-。キングオブコージが鮮やかな勝利を飾ると、鞍上は左手で小さくガッツポーズ。期待馬の復活がよほどうれしかったのだろう、相棒の肩を軽く叩き労をねぎらうと、再び小さなガッツポーズをつくって自身の胸元へ寄せた。

 少し立ち上がり気味のスタートで序盤の位置取りは後方2番手。それでも百戦錬磨の男が慌てることはない。すぐ前を走る2着馬の上昇開始をサインに、3角過ぎからポジションをアップ。直線入り口で先行勢を射程圏にとらえると、馬場の外からねじ伏せるように、1馬身半差をつけてゴールを駆け抜けた。

 「会心の勝利?いやぁ、そうでもなかったね」と横山典は苦笑いだが、12年ぶりの当レース制覇で自らが持つ最多勝記録を「7」へ伸ばした。21年は重賞未勝利。26年続いていた記録が途切れた。それが22年は早くも、シンザン記念マテンロウオリオン)に続く重賞2勝目。好調の要因を問われると、「いつも通り」と53歳のベテランは軽くいなした。

 2年前の初コンビから4連勝で目黒記念を制覇。続く京都大賞典でも3着と好走し、さあこれからという時に種子骨を骨折。約1年の休養を余儀なくされた。「ここで復活してくれて良かった。この後が楽しみになったね」と静かにほほ笑む鞍上。その気持ちは安田翔師も同じだ。「馬体の張りやストライドなどは、骨折する前に近づきつつあると感じていた。ただ、種子骨骨折と字面で見るより大変。それだけにうれしいですね」と喜んだ。

 今後は大阪杯(4月3日・阪神)などが視野に入ってくる。明け6歳を迎え、突き進むは古馬王道路線。地獄を見た素質馬が、勝負のスタートラインへ戻ってきた。

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