10月30日(日)に東京競馬場で行われる第166回天皇賞(秋)(GI)に出走予定のジャックドール(牡4、栗東・藤岡健一厩舎)について、藤岡佑介騎手の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「(札幌記念は)それまでの逃げる形のレースと違い、控える形のレースでしたが、落ち着いて走れていましたし、正直、秋に向けて一枚余裕のある仕上がりだったので、ラストどれくらい踏ん張れるかと思っていましたが、良くねじ伏せてくれたと思います。

それまでは、スピードがあるので、どちらかと言えばハナへ行っても気負いながら走るタイプだったのですが、この前はペースも相まって落ち着いて走れたことが勝ちに繋がったと思いますし、すごく良かったと思います。

先週の追い切りは、1週前ということで時計を出してほしい、ということだったのですが、結構バランスが前に突っ込んでいる感じで、前半から折り合いに苦労しました。

終いも、内を回ったこともあって時計が出ているのですが、乗っている体感としてはあまり良いと言える感じの動きではなかったので、1週間でどれだけ上がってくるかな、という内容でした。

時計だけ見ればオープン馬ですし、GIへ向かっている馬なので、やればいくらでも出ますが、数字には出ない部分があります。先週は手加減せずしっかりやれているので、札幌記念と同じパターンで、(今日の追い切りは)単走で、雰囲気に任せるということだったので、時計を考えず、ジャックドールの走りのバランスを整えるイメージでした。

先週に比べれば、ずいぶん良いバランスで走れていたと思います。入りの部分で馬が起き上がって走れていたことと、(前半で)ゆっくり入った分もありますが、終いの反応が先週に比べれば良くなったと思います。

(札幌記念との比較についての質問に)そことの比較はまた難しいですね。前走は見た目にも体に余裕がある感じで、どちらかというとちょっと重たいという感じの、余裕残しでした。

今回は体の面では数字的には仕上がっていると思うのですが、先週は反応の面で乗っている方としては『？』というのがあったので、それが今週良化していたことを感じられたのは良かったです。

レースまであと4日あるので、走る馬ですし、良い状態で迎えたいと思います。初めて乗った時から走る馬だと思いましたが、去年の秋に東京で条件戦を勝った時に、初めて大きな舞台を意識できたというか、来年はこういう形でGIに向かえたら良いなと思い描いていた通りか、期待以上に成長してくれて、良いパフォーマンスでここまで来られましたので、最後はGIで良いレースがしたいです。

(春の過程は)金鯱賞を勝たなければ大阪杯に出られない、という賞金的な問題もありましたし、(1月に)オープン特別を勝った時に、陣営と『まだ今の力ではGIでは少し厳しいのでは』という話をしていて、金鯱賞を勝ったら考えよう、ということで、思った以上のパフォーマンスで金鯱賞を勝てたので、期待を持って大阪杯へ向かえましたが、臨戦過程を含めて厳しいものがありましたから、大目標は天皇賞(秋)という形だったので、そこでリベンジ出来たら、という思いでやってきました。

あの時(大阪杯)はもちろん他の出方などもありましたが、ジャックドール自身が気負い気味でした。レース間隔が詰まっていたことが一番の要因かなと思いますが、かなり気が乗っていました。

夏を越して、札幌記念もそうですが、今回もオンオフがしっかりしてきているのは良い傾向だと思います。もともと少し左にモタれる面がある馬で、左回りは非常に走りがスムーズです。

最後はちょっとラチを頼って走るところがあるので、苦しくなるまではラチから離して競馬をするようにしていたのですが、金鯱賞で初めて苦しくなったところでラチを頼らせてみたのですが、期待通り、もう少し粘れました。

(今回も)最後は同じシチュエーションになれば理想的かなと思います。当然、先行したいですし、スタートから最初のコーナーまでが特殊なコース形態なので、ジャックドールは気負わなければ速いスタートが切れる馬なので、他の馬にプレッシャーをかけられるくらいの速いスタートを切って先行したいです。

(作戦は)他の出方次第です。遅ければ行きますし、他が主張してくれば引く形です。そのために前走は控えていますからね。早くから目標にしてきたレースですし、良い形で向かえると思います。良い結果を出せるよう、ジャックドールと頑張っていきたいです。

(父の藤岡健一調教師は)この世界に導いてくれた存在ですし、GIを勝って恩返ししたい気持ちが強いので、頑張りたいと思います。この世界に騎手として入ったからには(父子制覇を)達成したい気持ちはずっとありました。

今回は大きなチャンスなので頑張りたいです。ジャックドールはすごく見た目もかっこよくて、応援してくださっているファンの皆さんもたくさんいると思います。ジャックドールがGI馬になるよう精一杯頑張ります。応援してください」

(取材：山本直)