第73回
全日本2歳優駿・JpnIが14日、
川崎競馬場の1600mで14頭の2歳馬(
JRA5、南関東3、他場6)が争う。2歳ダート王決定戦に参戦するのは、いずれ劣らぬ精鋭ばかり。交流重賞は
JRA馬優勢の場合が多いが、このレースは近5年で地方馬が2勝。
地元馬として初めて優勝した
ヴァケーション(5番人気)が制した19年は、2着こそ
JRAの
アイオライト(4番人気)だったが、3着に南関東所属で9番人気の
ティーズダンクが飛び込んだことで、3連単は28万5290円の大波乱となった。
今年も地方勢力に有力馬がおり、その筆頭は
ヒーローコール(浦和)。目下、川崎コースで4連勝と破竹の快進撃。ここへの
トライアルでもあった、前走の
鎌倉記念・SIIは3番手追走から順位を上げ、直線に2番手で進入。ここから、グッとエンジンを吹かし、2着に2馬身差と後続を切って捨てた。
この時手綱を執った
左海誠二騎手は「まだまだ強くなる」と2歳馬らしからぬ堂々としたレースぶりに舌を巻いていた。今回は左海が調教師試験に合格し、11月末日で騎手を引退。調教師に転身したことで新コンビでの参戦だが、スイッチしたのは南関リーディング1位の
森泰斗騎手と不安はまったくない。
JRA勢撃破への期待がかかる。
とはいえ、
JRA勢力ももちろん強敵そろい。
オマツリオトコは前走の
兵庫ジュニアグランプリ・JpnIIを3番手の好位追走から直線で鋭く脚を伸ばして4馬身差で圧勝。ダート3戦3勝の負けなしで重賞制覇を果たした。直線の長い川崎なら、より持ち味の瞬発力が生きそう。重賞連勝で砂の王となるか注目が集まる。
その前走で2着の
スペシャルエックス(北海道)も怖い。2走前は
鎌倉記念に参戦して2着と、遠征競馬で善戦を続けているタフガイだ。父はダート王の
ダノンレジェンド。その父譲りの快速馬で、たぐいまれな先行力は魅力。交流の舞台でも、自分の競馬に徹しての好勝負に期待がかかる。
先日、調教師試験の合格が発表された
福永祐一騎手を背に参戦するのは
ペリエール。札幌での新馬戦、休み明けの前走と制し2連勝。どちらも3馬身半差つけての圧勝を決めている。キャリア2戦も1600mは守備範囲で、コーナー4つのコースも経験済み。好勝負が期待できる。
さらに、負けなしの3連勝で臨む
ハセノゴールド(船橋)、地元の利を生かせる
コンプラドール(川崎)、ダート転向で(3)(1)(1)着と才能を開花させた
デルマソトガケ(
JRA)、地元重賞制覇から
JBC2歳優駿・JpnIIIで4着と好走した
オーマイグッネス(北海道)など素質馬が多数参戦。
目が離せない一戦だ。若駒たちの熱い戦いのスタートは、20時10分に切られる。
(文:スポーツ報知記者・志賀浩子)
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2022/12/13 18:27
三連単の波乱と大波乱の境目を教えてほしい