新馬勝ちの後にトライした共同通信杯は2着だったタッチウッド(栗東・武幸四郎厩舎)。皐月賞(4月16日・中山芝2000m)に特別登録しており、今朝5日はレースに向けた1週前追い切りを行っている。

　レースでコンビを組む予定となっている武豊騎手を背に、CWでの併せ馬。アリクテラーが先行して、その5馬身ほど後ろから進めていたが、ジョッキーは懸命に手綱を引っ張るような仕草。一見すると、折り合いを欠いているのかなと思ってしまうが、走る様子を見ると、そうではなく、手綱を譲ると自然とスピードが上がって追いついてしまうからだろう。

　このあたりをうまくなだめて、脚をためていくのが、さすがレジェンド。一定の追走距離を保ちながら、3コーナーから4コーナーを抜けて、最後の直線に向いたところで前に並びかけていくかなというスピードになったが、そう思った瞬間に内から前を追い抜いていた。このスピードが今朝5日にCWで見た併せ馬の中では一番速かった。もちろん、ゴールでは先着している。

　時計は6F80.7～5F65.4～4F51.0～3F36.3～2F22.8～1F11.6秒。CW6Fの自己ベストは78.8秒だが、この時はラストが12.2秒。終いに時計を要する形ではなく、最後の直線を11.2秒から11.6秒というラップを踏んでのこの時計に価値がある。

(取材・文：井内利彰)