函館開催が終了した後も、例年通り“裏函”担当として滞在を継続中。ようやく本紙予想の“重責”から解放され、マイペースで独自の取材に没頭できると思っていたのだが…。気持ちが緩んだのもつかの間、早くもGII
札幌記念(8月20日=札幌芝2000メートル)に向けて
シャフリヤールが函館入りしたことで、一気に緊張感が高まってきた。
今週のGIII
クイーンS(30日=札幌芝1800メートル)にしても、頭数こそ多くはないが、
ドゥーラ、
ライトクオンタム、
キタウイングの有力3歳勢ほか、
函館記念2着の
ルビーカサブランカも居残って中1週での参戦を決めている。函館に有力馬が集まるのは例年のこととはいえ、息つく暇もなく多忙な日々が続くことになりそうだ。
先ほど挙げた馬たちの中で、実は
ドゥーラが“裏函”担当として最もなじみがある。札幌でデビューした昨年も函館で調整をしていた馬で、
札幌2歳Sを制する1週前(例年、このタイミングで函館は閉場)まで滞在を続けていた。馬のほうも競走生活をスタートさせた“進撃の拠点”を覚えているのではないか。
「ウッドで調整をしたくて今年も函館に入りました。馬体重は春よりも少し減っているくらいなんですが、カイバはよく食べているので問題ないし、いい状態だと思います。ここまで順調そのものですね。去年の夏もすごく状態が良かったように、もともと暑さを苦にしないタイプでもありますからね」
担当の原口助手の滑らかな口ぶりが目下のデキの良さを物語っている。
ドゥーラといえば、
札幌2歳Sで初重賞制覇を決めた後は阪神JF6着→
チューリップ賞15着→
桜花賞14着と凡走が続き、忘れられたころ? の
オークスで15番人気3着と好走した経歴の持ち主。その舞台は広い東京の2400メートルだっただけに、いくら小回り札幌の当舞台で重賞勝ちしているとはいえ、本質的な適性がどこにあるのか、イメージしづらくなったのが正直なところだが…。原口助手の以下の“解釈”を聞けた今は頭の中がスッキリ整理されている。
「(不振時は)要するにワンターンが合わなかったんだと思っています。馬自身がどこでスイッチを入れたらいいのか、分からないような感じだったんですよね。調教でも4コーナーとかは理解していて、直線を向くとしっかりハミを取ってくれる。つまりコーナーが多くあったほうが、走りのリズムが取りやすい馬なんです」
広い東京と小回り札幌はもちろん同類ではないが、結果を出した舞台がコーナー4つなのは紛れもない共通項。一方で昨年暮れから凡走を続けた3戦はいずれもワンターンの阪神外回り1600メートルだったのだから、原口助手の解説にも納得がいく。
ドゥーラの適性をしっかり見極めることができたことで、裏函期間に入って最初の重賞をゲットできる手応えをつかめた。これなら本紙予想を続けても良かったかな。
(札幌開催になっても函館滞在野郎・立川敬太)
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