サマースプリントシリーズ第5戦「第18回キーンランドC」はナムラクレアが4度目の重賞制覇でスプリンターズS(10月1日、中山)に弾み。

　雨上がりのゴールの先には何が見えたか。ナムラクレアは好位追走から4角手前で前団を射程圏に入れると、迷わず大外に持ち出した。大接戦の2着争いを尻目に1馬身突き抜ける完勝ゴール。浜中は「馬場状態(重)から外枠がプラスになった。外めのいいところを通れた。後ろからでは届かないのでスタートを決めて好位から進もうと…。イメージ通りに乗れました」と振り返る。

　長谷川師は落ち着いた脚取りで厩舎に引き揚げる愛馬に頼もしげな視線を注ぐ。「この1年で環境の変化にも動じなくなった。お姉さんになりました」。

　3歳時の昨年は函館スプリントSを優勝してサマースプリントチャンピオンに輝いたが、スプリンターズSは5着。「今年の高松宮記念は2着と(G1も)あと一歩まで来ている。次こそは…」と浜中は言葉に力を込める。スプリンターズSの前哨戦としてキーンランドCを選んだ長谷川師は「さらに調教を重ねていい状態で本番に向かいたい」と締めくくった。雨上がりのゴールの先には念願のG1タイトルが見えた。

　◆ナムラクレア　父ミッキーアイル　母サンクイーン2(母の父ストームキャット)19年3月30日生まれ　牝4歳　栗東・長谷川厩舎所属　馬主・奈村睦弘氏　生産者・北海道浦河町の谷川牧場　戦績14戦5勝(重賞4勝目)　総獲得賞金3億4910万4000円。馬名の由来は冠名＋女性名