【ジャパンC】ヴェラアズール近走不振にも悲観の色なし ムーアの“神騎乗”再び/トレセン発秘話

東京スポーツ

2023年11月22日(水) 18:01 5 9

R.ムーアと共に連覇を目指すヴェラアズール(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 昨年のジャパンCでヴェラアズールの鞍上R.ムーアが見せた直線での手綱さばきは、レース史に残る「神騎乗」だった。

「極限ともいえる馬混みの中で一度もブレーキを踏まずに伸びてくる。それだけでもすごいことなのに、減速するどころか(エンジンを)吹かしつつ進路を探っていた。あんな競馬はやろうと思っても、できるものではありません」

 元ジョッキーの渡辺調教師をして、こう言わしめるのだから、あの勝利はまさに神がかり。鞍上の超絶技巧と、それに応えた馬のポテンシャル。この2つが完璧にかみ合い、記録にも記憶にも残るジャパンCの名シーンとなった。

 再度の神騎乗を期待して、1年ぶりのコンビ再結成(第43回ジャパンC・26日=東京芝2400メートル)に胸を躍らすファンは決して少なくないだろう。当初はムーアが騎乗予定だった外国馬コンティニュアスがケガで無念の回避となったことにより、ヴェラアズールの鞍上が発表されていたマーカンドからムーアへのスイッチとなった経緯を考えても、不思議な縁を感じずにはいられない。

 一方でイクイノックスリバティアイランドと比べれば、近走成績で劣るのは事実。年齢的な衰えを危惧する向きもある。しかし、ドバイワールドC(13着)は結果的に当地の砂が合わなかったと割り切れるし、宝塚記念(8着)は調整の難しい海外帰り。そして秋初戦の京都大賞典(7着)についても「馬場や展開がかみ合わない中でも力を見せてくれたし、内容は悪くなかった」と悲観の色はない指揮官は、現況について前向きに言葉を続ける。

「昨年の状態が良過ぎたというところはありますが、ひと叩きして昨年の感じに近づいてはきましたね。フットワークにも力強さが増してきましたし、昨年のチャンピオンとして恥じない競馬を」

 振り返れば、芝路線に転向したのが5歳春という異色の経歴。そして昨年のレースぶりからも、常識の枠にとらわれない魅力がヴェラアズールにはある。

 父エイシンフラッシュの血を色濃く受け継ぐ好馬体の持ち主。その父が最高の輝きを放った府中の舞台で、最強パートナーのムーアとともに今年もアッと言わせるのか――。その走りから目が離せそうもない。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

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