武豊騎手とハルウララがタッグ 20年前の黒船賞当日にあった“負けられない戦い”

2024年03月26日(火) 08:00 7 35

武豊騎手とタッグを組んだハルウララ(ユーザー提供:ダークマターさん)

 この季節を彩るレースの一つに高知競馬で行われる黒船賞がある。数々の熱戦を繰り広げてきた一戦だが、ちょうど20年前の黒船賞当日、最終レースで「負けられない戦い」があった。連敗記録で話題となっていたハルウララJRA武豊騎手が騎乗。その模様は地上波テレビで生中継されるなど、世界を知るエースとの“夢のタッグ”は大きな話題になった。

 ブームのきっかけを作ったのは、当地で場内実況を務めるアナウンサーだった。売上減に苦しんでいた高知競馬が少しでも盛り上がればと、100連敗が近づいていたハルウララのことを発信。地元紙での記事掲載を皮切りに、徐々に県外メディアで取り上げられることも増え、いつしかその存在は全国へと知れ渡っていった。

 ハルウララはその間も走り続けたが、連敗は100を超え、年が明けた04年もそれは続いた。武豊騎手とのタッグが決まったのは、そんな折のこと。黒船賞のため高知に来るタイミングで、騎乗することになったのだ。

 04年3月22日、レース当日は朝からあいにくの空模様ながら、競馬場には1万人をはるかに超えるファンが集結した。関連グッズはとぶように売れ、専用馬券窓口には長蛇の列。今度こそ、初勝利を。圧倒的1番人気を集めたハルウララに、全国から熱い視線が注がれた。

 16時35分、ついにゲートが開く。枠内で落ちつかない様子だったハルウララは1、2馬身ほど出負け。武豊騎手が押して位置を取りにいったが、中団後ろ寄りの追走となった。道中も鞍上が必死にうながすが8、9番手あたりを付いていくので精一杯。4コーナーを前にして先行集団からは離され、結果は11頭立ての10着という結果に終わった。

 後方でゴールを通過すると、場内から寂し気な吐息。だが、武豊騎手が場内を一周し再びスタンドの前を通ると、ファンからは歓声があがった。全国が注目した夢のレース。通算106戦目での勝利とはならなかったが、高知は盛り上がった。

 ハルウララの連敗記録は113まで伸び、同年8月のレースが現役ラストとなった。その後も紆余曲折はあったが、現在は千葉県の牧場で余生を過ごしている。彼女も今年で28歳。高齢の域とはなってきたが、これからも元気に過ごしてほしいものだ。

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  • KPダイちゃんさん

    2024/3/26 8:15

    ハルウララは競馬では負けたけど
    馬生ではどんな仔よりも長生き。

    勝ち組ですね。

    長生きしてください。

  • バンバ・ラルさん

    2024/3/26 9:27

    レース後にユタカ騎手の記者会見も行われて夜のスポーツニュースにも取り上げられていたっけな。2012年に黒船賞を現地に観に行った時には高知競馬場のスタンド横にハルウララのパネルが貼ってあった。劣化してボロボロになっていたけど。高知競馬場を語る上で欠く事のできない1頭ですな。

  • フルーツ香料使用さん

    2024/3/26 9:48

    この馬の戦績見て見ると、レース名にハルウララの入ったレースが
    まあ多いこと。

    よっぽど愛されていたんだね。

  • Tsukitomoさん

    2024/3/26 9:30

    「いい馬ですよ。他の馬より脚が遅いだけ」

    これだけ競走馬のアイドル化・擬人化が進んでいる中で、当時 (好き嫌いはともかく) 間違いなくそういう路線で一定のポジションを確立していた前馬主ら女性競馬ライターにスポットを当てた記事も読んでみたいですね。「1995年のウマ娘たち」みたいな感じで。

  • XMountRiceさん

    2024/3/26 9:09

    “当たらない”ということで交通お守り替りに流行ったハルウララと武豊の連名馬券は懐かしい

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