【安田記念】香港最強ロマンチックウォリアー 日本馬一蹴5連勝でG1・8勝目 外国馬18年ぶりV

デイリースポーツ

2024年06月03日(月) 06:00

 日本馬を圧倒し安田記念を制したロマンチックウォリアー(右)=撮影・園田高夫

 「安田記念・G1」(2日、東京)

 香港最強馬がその実力を日本のファンに見せつけた。J・マクドナルド騎乗のロマンチックウォリアーが1番人気に応え、G1・5連勝で春のマイル王に輝いた。海外からの遠征馬として、安田記念では06年(ブリッシュラック=香港)以来18年ぶり、JRA・G1では15年高松宮記念エアロヴェロシティ=同)以来9年ぶりの勝利。G1・8勝目を飾った同馬は宝塚記念(23日・京都)にも予備登録しているが、陣営によると回避の見込み。2着に4番人気のナミュール、3着に2番人気のソウルラッシュが続いた。

 前があき、進路が見えたのは直線坂上。一気に抜け出したロマンチックウォリアーの鞍上でマクドナルドの右ステッキがブンブン回る(ステッキ過多で戒告)。香港のチャンピオンホースはリードを最後まで譲らなかった。強襲してきた2、3着馬に劣らぬ末脚を繰り出し、半馬身押し切った。オーストラリアのトップジョッキーは右腕を高々と掲げた。

 安田記念では06年のブリティッシュラック(香港)以来、18年ぶり史上4頭目の外国馬の勝利。「外(ステラヴェローチェ=横山典)からのプレッシャーがきつくて、外には出せなかったけれど、あれ以上は追いだしを待てなかった。本当は4、5完歩早く追いだしたかった。府中の直線が本当に長く感じたよ」とマクドナルド。内に1頭分だけできたスペースに突っ込んだ的確な判断が勝利を呼び込んだ。

 スタンドのシャム師は至極冷静だった。「ここで勝てたのはとても光栄。でも努めて静かに見ていたよ。J・マックはチャンピオンジョッキー。馬もチャンピオン。ジョッキーにも、馬にも、自分の厩舎のチームにも、そして自分にも自信を持って臨んだから」。それだけの自信があったのは馬の強さだけではない。00年の安田記念を制したフェアリーキングプローンなど、I・アラン厩舎の調教助手時代から来日経験が豊富だったからだ。「あれだけの経験をくれたボスには感謝しきれない」。09年に亡くなった師匠に、この勝利をささげた。

 宝塚記念への予備登録もあるが、馬は休養へ入る。オーナーのパッファイ・ラウ氏は「調教師と騎手と相談しますが、疲れを感じていると思いますし、恐らく今回は休ませる」と説明。秋は3連覇のかかる香港Cを目標に直行か、逆算して叩き台を使うかというローテになる見通しだ。12月の香港でもきっと、再び日本調教馬にとっての大きな壁になる。

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