◆第38回セントウルS・G2(9月8日、中京競馬場・芝1200メートル)

　これほどモデルチェンジがハマった例はあまり記憶にない。3歳時には葵Sのロケットダッシュなどスピード一辺倒だったモズメイメイ(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎、父リアルインパクト)が鮮やかに変わり身を遂げた。初の直線競馬だった前走のアイビスSDも馬場の真ん中を突き抜けるような差し切り勝ち。差す競馬を完全に身につけた。

　変貌はレースの戦法だけではない。今まで栗東・坂路で49秒台なども出ていた馬が、時計を出さない「ソフト調整」に切り替え。先月28日の1週前追い切りもここ2戦同様に併せ馬ながら馬なりで、この馬にしては52秒6―12秒5と「遅い」時計。しかし、この調整ができていることが順調さの証しと考えていい。

　例年なら開催開幕週に行われ、差し馬には厳しいレースだが、今年は連続開催の中京5週目の馬場。例年よりは馬場の恩恵も見込める。「1200メートルも問題ない馬。一連の状態はキープできています」と生野助手。一気に相手は強化されるが、使ってきた強みと充実度に賭ける手はある。(山本　武志)