A・オブライエン厩舎の境優真氏が武豊と感動の対面

スポニチ

2024年11月01日(金) 05:05

デルマー競馬場で対面を果たした境優真氏(右)と武豊(撮影・平松さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】史上最多、19頭の日本馬が出走を予定している今年のブリーダーズカップ(以下BC)デー。ただ、頂点を目指す日本人は日本馬関係者ばかりではない。境優真氏(23)はアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎のライダーだ。

 福岡県生まれの彼は「祖父や伯父が一口馬主だったため」(本人)幼い頃から小倉競馬場をはじめ、全国の競馬場に連れて行ってもらっていた。自然と競馬が好きになり、騎手に憧れた。しかし、身長が伸びて断念。それでも「馬に携わりたい」と中学卒業後、岡山県のエイシンステーブルに就職。同ステーブルに在籍したまま北海道のBTC(育成調教技術者養成研修)に入学すると、卒業後、BTCのツテで愛国K・コンドーン厩舎で研修。帰国して再びエイシンステーブルで3年働いた後、再度愛国へ飛び、コンドーン厩舎を経て、現在のA・オブライエン厩舎で働くようになった。

 「エイダンは60人前後のライダーに対し、毎朝、名前を呼んで会話します。馬はもちろん、人も全員を把握している姿勢は尊敬できます」。そんな境氏が尊敬する人物は他にもいる。武豊騎手だ。

 「僕が競馬を見始めた頃からトップで、今もなおその地位にいます。高身長なのに、それが不利に働くことなく勝ち続ける姿勢は尊敬以外の何でもありません」。自らが身長の高さで騎手の道を断念しただけに、リスペクトの念は強いようだ。

 さて、そんな境氏が今回のデルマーで憧れのレジェンドと対面した。凱旋門賞前に武豊騎手がバリードイルを訪れた際、馬上にいる境氏とあいさつはかわしたそうだが、しっかり話したのは今回が初めて。「イメージ通りの優しい方で感動しました」

 境氏の担当馬はデビュー以来4戦4勝のレイクヴィクトリアで、BCジュベナイルフィリーズターフに出走する。また、その後はオーギュストロダンと共にジャパンC(G1)のため来日するそうだ。

 「その時はドウデュースと戦わなければいけないので、お手柔らかにお願いします」。境氏が最後に武豊騎手にそうお願いすると、その場は笑いに包まれた。(フリーライター)

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