【きさらぎ賞】父は兵庫の名手 2年目若武者が重賞制覇同期一番乗りへ「自分の技術と馬の能力を最大限引き出せれば」

スポーツ報知

2025年02月07日(金) 06:10 0 6

吉村が同期一番乗りでの重賞初Vに挑む

◆第65回きさらぎ賞・G3(2月9日、京都競馬場・芝1800メートル)

 第65回きさらぎ賞・G3(9日、京都)の出走馬が6日、確定した。朝日杯FS3着のランスオブカオスと挑むのが、昨年デビューした吉村誠之助騎手(19)=栗東・清水久厩舎=。同期一番乗りとなる重賞初Vへ意気込み十分だ。

 新馬戦から手綱を執る相棒と初タイトルをつかみにいく。デビュー2年目の吉村が、ランスオブカオスと人馬ともに重賞初勝利を狙う。

 7年連続の兵庫リーディングで地方通算3596勝を誇る名手・吉村智洋の息子としてデビュー。偉大な父の薫陶を受け、昨年は新人2位のJRA33勝を挙げて新人騎手特別賞を受賞した。最多勝利こそ高杉に譲ったが、同馬と挑んだ朝日杯FSでG1初騎乗を果たし、3着と強い存在感を放った。冷静なレース運びが身上で、「一頭一頭に対して正しいアプローチをすることと、周りと相手関係を見ながらその場その場で、適切な対応ができるようにというのは常に心がけています」と落ち着いた口ぶりで語る。

 新馬勝ちから中1週でのG1参戦となった前走は、中団から流れに乗って直線へ。進路を内に切り返す好判断で最後の力強い伸び脚を引き出した。「ある程度のポジションで折り合いもつけつつ、あの位置からひと脚使ってくれた。内容としては悪くなかったと思いますし、能力はそれなりにあるのかな」と確かな収穫を口にした。初の大舞台にも「挑むにあたっては気持ちはいつもと変わらなかったですけど、緊張感はありながらも楽しめたのかなと思います」。ルーキーらしからぬ強心臓ぶりが好成績の一因だ。

 5日の最終追い切りにまたがり、前走からの変化を感じ取った。「動ける範囲がどんどん広がっていて、その部分が行きっぷりにつながってきているのかなというところはあります。状態に関してもいい具合かな」と手応えを得ている。

 「自分が持っている技術と、この子の持っている能力を最大限引き出せれば」。同期一番乗りの重賞Vへ、信頼するパートナーと大一番へ挑む。(山本 理貴)

 ◆吉村 誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年1月4日、兵庫県出身。19歳。24年3月に栗東・清水久厩舎所属でデビューし、同24日の阪神11R(ボルザコフスキー)で初勝利。JRA通算639戦39勝。162・7センチ、48キロ。現役の同期は栗東の柴田裕、高杉、橋木、美浦の石神道、坂口、長浜。

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