【アルゼンチン共和国杯】ミステリーウェイ大逃げ成功! 松本が好騎乗で重賞初勝利

スポニチ

2025年11月10日(月) 05:30

<東京11R・アルゼンチン共和国杯>レースを制したミステリーウェイ(右)(撮影・村上 大輔)

 東西で新たな重賞ウイナーが誕生した。伝統のハンデG2「第63回アルゼンチン共和国杯」が9日、東京競馬場で行われ、9番人気ミステリーウェイが逃げ切った。デビュー5年目の松本大輝(23)は重賞初勝利、管理する小林真也師(44)はJRA平地重賞初Vとなった。また、京都の「第15回みやこS」はダブルハートボンドが1分47秒5のJRAレコードを樹立。チャンピオンズC(12月7日、中京)の優先出走権を獲得した。

 長身騎手が大仕事をやってのけた。身長1メートル77と現役騎手で最も背の高い松本が伏兵ミステリーウェイに初の重賞タイトルをもたらした。自身も重賞初勝利。ゴール後、右手でガッツポーズをつくった。「成績も出せていない中で乗せてもらえたことに感謝ですし、その中で結果を出せたことを本当にうれしく思います」と笑顔で喜びを語った。

 馬に寄り添う逃走劇だった。「特に作戦はなく、馬の気持ちを最大限走る方向に行かせることだけが僕の仕事だと思っていた」。好スタートから道中は後続を約10馬身離した。向正面でペースを落とし、後続を引きつけた。馬群が一団となった直線で驚異の二枚腰を発揮。デビュー前に「長い手足を生かしたい」と語っていた若武者が長い手をいっぱいに使ってステッキを振るい、最後は1番人気スティンガーグラスの猛追を半馬身差しのいだ。

 鞍上は「4コーナーの手応え的にのみ込まれると思ったけど、馬に全くストレスがかかっていなかった分、最後にお釣りがあって伸びてくれた。人馬一体になれたと思います」と冷静に振り返った。京都競馬場でレースを見守った小林師は「さすがに直線は厳しいかなと見ていましたが、しぶとかった。前走に続き松本君のセンスですね。さすがでした」と称える絶妙な手綱さばき。09年ミヤビランベリ以来となる当レースの逃げ切りを成し遂げた。

 トレーナーは「今後については未定ですが、今回牧場からいい状態で戻ってきていたので、(引き続き)楽しみです」と語った。松本はミステリーウェイに連続騎乗で2戦2勝。このコンビが織りなす魅惑の逃げから、今後も目が離せない。

 ◆ミステリーウェイ 父ジャスタウェイ 母ジプシーハイウェイ(母の父ハイシャパラル)18年3月12日生まれ セン7歳 栗東・小林厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績36戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億9066万8000円 馬名の由来は神秘的な道。

 ◇松本 大輝(まつもと・ひろき)2002年(平14)10月11日生まれ、滋賀県出身の23歳。父・達也氏は元騎手、元調教助手。21年3月に栗東・森秀厩舎所属でデビューし同13日に中京6Rのヴァルキュリア(自身11戦目)で初勝利。JRA通算1680戦86勝。身長はデビュー当時より1センチ伸びて1メートル77、46キロ。血液型B。好きなアーティストはTWICE。

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