日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の作中で話題に 「勝負服の柄は変更できるの?」

2025年11月18日(火) 18:30

山王耕造氏の新勝負服デザインのイメージ(c)netkeiba

 TBS系列で絶賛放送中の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』。実際の競馬関係者や競走馬が登場することもあり、大きな盛り上がりを見せている。そんな話題作の第5話では、「勝負服」に関するトピックがあった。ドラマ内で登場する馬主・山王耕造氏の服色が変更されたが、現実の競馬界ではどのようなルール、運用になっているのだろう。この機会に「勝負服」のあれこれを調べてみた。

 そもそも「勝負服」とは、騎手がレースの際に着用する服のこと。正しくは服色(ふくしょく)といい、肌着やプロテクター等の上に着る。観客や馬主はもちろん、裁決委員や実況アナウンサーなど、レースを観るすべての者が、どの馬かすばやく判別するために重要な役割を持つ。

 柄や色はなんでも自由に使えるわけではなく、細かい規定が存在する。色は「赤」や「白」など全13種類。胴や袖に入れられる柄は「輪」や「襷(たすき)」など十数種類がある。「襷」は袖に入れられない、胴に「のこぎり歯形」を使用する場合は袖の柄は「輪」でなければならないなどの制約もあり、ルールはなかなか複雑。JRAに現在登録してある勝負服は約2000種類あるといわれ、決まりの中でほかの服色と被ることがないよう、新しいオーナーは頭を悩ませると聞く。

 ドラマと同じく、一度決めた色や柄を変更することもできる。ゲン担ぎや相続など、その理由はさまざまあるようだ。例えば、松本好隆氏。以前は「青、桃襷、桃袖青一本輪」の柄を使っていたが、父の松本好雄氏が逝去したことを受け、今年10月から父が使っていた「胴青、桃襷、桃袖」(青一本輪をなくした)に変更している。

 以上は中央競馬の決まりであって、地方競馬では事情が異なる。

 地方競馬の場合は重賞や新馬戦など一部例外を除き、原則として騎手ごとに定められた服色、いわゆる「騎手服」を着用する。中央競馬では認められていない「橙/オレンジ」の色が使用できたり、愛知の木之前葵騎手は胴にハートマークを入れている。また、南関東競馬ではプロ野球の永久欠番にならって、永久保存なる制度も存在。第1号は川崎の佐々木竹見氏で、その後は石崎隆之氏、的場文男氏、森泰斗氏、内田利雄氏が“殿堂入り”。原則として、同じ柄を使用することはできない。

 競馬で当たり前の光景となった勝負服の発祥は、18世紀のイギリスともいわれる。実に200年、300年というヒストリー。長きにわたって競馬に彩りを加えてきたのが勝負服。これを機に、ドラマでも実際のレースでも、勝負服の色と柄に注目して視聴、観戦してみてほしい。

関連情報

みんなのコメント

フィルタ

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

      ニュースを探す