関西地方も梅雨入りしたということで、さすがに栗東も雨もしくは曇り空が多い毎日が続く。今週も8日夜から9日の調教時間帯まで雨。たっぷりと水分を含んだウッドチップだったが、9日午後には雨が上がっていたこともあり、10日の追い切りには極端に影響を及ぼした感じはない。
来週から函館開催がスタートするということで、栗東に在厩する頭数もかなり減っている。その関係もあり、11日の調教では、馬場も閑散としていたが、トレセンニュースでも取り上げたように、
宝塚記念や
帝王賞が終了するまでは、まだまだ見逃すことができない追い切りが続いていきそうだ。
【坂路/4F51.9秒】
10日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)と
トータルヒート(栗東・
平田修厩舎)の4F50.7秒。特筆すべきは、後半2Fの時計が25秒を切っていること。たいていの一番時計はテンから飛ばしていくため、最後はラップが失速しやすいのだが、この2頭に関しては、最後までさほどスピードが落ちなかったのだろう。
マーメイドSに出走予定の
アドマイヤギャラン(栗東・
中尾秀正厩舎)は蹄跡がない、きれいな馬場だったことも要因だが、3F目が11.6秒。過去に3F目で11.4秒という数字をマークしたことがあるタイプだけに、この時計が自己ベストではないが、馬自身の状態も長期休み明けを叩いて、良くなっているのだろう。
先週は4日の馬場差は「+0.2秒」。時間帯によっては、馬場が掘り返されて、時計を要することもあるが、全体的に見ると、遅い馬場差をつけるわけにもいかないので、10日、11日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
10日。前日のトレセンニュースでも取り上げた
エピファネイア(栗東・角居勝彦厩舎)が速い6F時計をマークしているが、それ以外にも6F80秒を切った馬は多数。しばらく乾いた状態になっていたウッドチップが適度に水分を含んで、走りやすくなっているという意味で、雨は好影響だったのかも知れない。
11日は朝一番の馬場で、
ユニコーンSに出走予定の
タップザット(栗東・
池江泰寿厩舎)が3頭併せ。
福永祐一騎手が跨って、
マウントシャスタ、
トーセンスターダムを追いかける内容だったが、直線に向いても前との差が詰まらず、スピード乗りはひと息。時計も6F88.4~5F71.5~4F56.4~3F41.9~1F12.6秒と地味な数字に終わっている。
対して、同厩舎で同レースの出走を予定している
ミッキーシーガルの動きは目立った。
ゴールドラッシュ、アギュロスを追走していたが、直線は2頭の外に進路を選ぶと、ぐんぐん伸びて、楽に前を交わした。こちらもかなり時計が遅く、6F89.7~5F73.2~4F56.9~3F41.9~1F12.5秒という数字だったが、見た目の動きは断然こちらが上。
なお、先週4日の馬場差は「-0.5秒」。雨は降っても、走りやすい状態だったと思われるし、全体的な時計の出方を見ても、基準時計よりは速い馬場なので、10日、11日ともに『-1.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
先週ほどではないが、今週の芝馬場でも追い切りを数頭確認している。こちらは芝がかなり水分を含んでいたので、馬場差に関しては10日が『+1.0秒』、馬場が乾いた11日は『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は平均。水分を含むと、グリップ性能がより高くなる感じがするので、時計も出やすい。そのあたりを考慮すると、あまり時計が速いからといって過大評価するわけにはいかないが、馬場差に関しては、10日、11日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)
2015/6/11 16:47
スピードがさほどスピードが