2014年09月18日(木) 12:00
競馬のサマーシリーズひとつ取り上げても、気がつくことがいくつかある。ジョッキーズシリーズで優勝した田辺騎手と、マイルシリーズの王者クラレントのコンビ。前走の関屋記念から馬が変わったように積極的に動いていたが、京成杯AHはさらに自在味が感じられた。田辺騎手自身の器量に磨きがかかったと思えたのはレース後。今後の可能性を問われたとき、「私自身そんなに乗っているわけではないから、言えません。58キロ背負っていたのに馬は本当に頑張ってくれました。たいしたものです。」と馬を称える言葉が聞かれたのだ。人格の陶冶を若者に感じるのはうれしい。競馬では、勝つことで人馬の風格を大きくすることがある。スプリントシリーズでチャンピオンに輝いたリトルゲルダと丸田恭騎手は、北九州記念もセントウルSも1番枠だった。勝ちパターンを確信させた意味は大きいが、それよりもそこで得た境地が今後の人馬に与えたものが大きい。いずれにせよ、苦労の中でこそ磨かれていくという孟子の言葉が生きているのだが、今週はセントライト記念を勝った地方馬コスモバルクに思いを馳せてみたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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