2014年11月23日(日) 18:00
明日の東京スポーツ杯2歳Sのあと、次週は新重賞となった2000mの京都2歳S、そして12月のGIや,新重賞ホープフルSに移っていくが、エース級が出走してくると波乱の流れは変わるのだろうか。
前回の芙蓉Sは、新潟外回りの1800mの少頭数とあって、信じがたいほどの超スロー。スローペースの程度にもよるが、スローの長い直線の勝負になると「各馬の秘める資質が判明することがある」という見方を取りたい。
前半1000m通過は、67秒4。さらに緩い流れはつづき、1200m通過は1分20秒6となった。平坦の直線に向いて一気にペースアップして、最後の3ハロンで刻まれたラップは「11秒0-10秒1-11秒1」=32秒2である。
直線1000mは別に、レース全体の上がり3ハロンとすると、まず滅多に生じることのない究極の「秘めるスピード能力=いわゆる才能」比べだったかもしれない。
レース上がりが32秒2なので、上位はみんな上がり32秒台だが、わずかの違いとはいえ、特筆すべきは勝ち馬の最後の3ハロン。前記のレース上がりから推測できるのは、ジャストドゥイングは、直線に向いて2ハロン連続して「10秒台」のラップをこなしただけでなく、最後も「10秒8-9」。そこで、上がり32秒0となった。光ったのは、ゴール寸前のフットワークをのばしたバネ。調教で栗東の坂路を上がってくる際の脚さばきにも、柔らかいというより、鋭利なバネを感じさせるのが最大の長所である。
まだ、ペースアップしたいところでの反応一歩であったり、3戦しているわりに完成度は低いと思えるから、自在のタイプに翻弄されてしまう危険は大きいが、ジャストドゥイングの広がる将来性を高く評価したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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