2015年03月06日(金) 18:00
ばんえい競馬は3月がクライマックス。1日には、今シーズンの重賞勝ち馬によるチャンピオンCが行われ、ばんえい競馬ではまだ若い5歳のオレノココロが勝利。2着にも5歳馬、3着にはなんとメンバー中唯一の4歳馬が入り、波乱の決着となった。8日には3歳馬による重賞・イレネー記念、15日には4・5歳馬による重賞・ポプラ賞、そして22日にはばんえい記念と、4週連続で重賞が行われる。
ばんえい競馬の最高峰は、年に1度、最高重量の1トン(牝馬は980kg)で争われるばんえい記念だが、今シーズンの古馬重賞は波乱の決着が多く、主役不在の大混戦。むしろ注目となりそうなのは、2歳シーズン(明け3歳)のチャンピオン決定戦、イレネー記念に出走するセンゴクエースの存在だ。
センゴクエースは、デビュー以来8戦全勝。その中には重賞のナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップも含まれており、もしイレネー記念も勝てば、現在の重賞体系になった2008年度以降で、初の2歳シーズン三冠馬誕生となる。また、手元の資料で調べがつく1995年(1994年度)以降では、無敗でのイレネー記念制覇も初めてのこととなる。
ちなみに前走、二冠目のヤングチャンピオンシップでのセンゴクエースは、別定重量で他の牡馬より10〜20kg、牝馬より30〜40kg重い610kgの負担重量ながら、第2障害2番手クリアからすぐに先頭に立つと、2着馬に7秒差をつける圧勝。定量戦となるイレネー記念では断然人気になることは間違いない。
ヤングチャンピオンシップを制したセンゴクエース(写真提供:ばんえい十勝)
センゴクエースは血統も素晴らしい。
父のウンカイは、自身ばんえいの3歳三冠馬にして、2011年度から昨年度まで3年連続でばんえいの種牡馬リーディング。今年度もここまでに行われたばんえい重賞22レースのうち、センゴクエースを含め6頭の産駒で10勝と半数近くを勝利。このあとに行われる、ばんえい競馬最高賞金のばんえい記念を他の産駒が勝ったとしても、ぶっちぎりでの4年連続リーディングは確定的だ。またウンカイの父マツノコトブキも1994年度から1998年度まで5年連続でばんえいリーディングに輝いた。
そして母サダエリコは、現役時に重賞13勝。そのうち、ばんえいダービー、ばんえい菊花賞の二冠や、古馬の北見記念など、11個のタイトルが牡馬と混合の重賞だった。さらにサダエリコの父ダイヤテンリュウは、前述マツノコトブキに代わって1999年にばんえいの種牡馬リーディングに立つと、2003年を除いて2005年まで6度リーディングに輝いている。
イレネー記念のみならず、ばんえい競馬の超エリートともいえるセンゴクエースの今後の活躍に注目だ。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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