2015年04月24日(金) 18:00
福島牝馬Sの歴史はまだ11回。そのうち9回(82%)までを3月の「中山牝馬S」に出走していた馬が勝っている。また、連対馬22頭のうち、17頭(77%)が中山牝馬Sに出走していた馬によって占められている。
今年は中山牝馬S出走馬が7頭もいるのでマトを絞りにくいが、「中山牝馬S→福島牝馬S」の形で連対した前出17頭のうち、13頭(76%)が中山牝馬Sを5着以内に好走していた目下の好調馬だった。パワースポットは、追い込み一手、最ベテランの7歳牝馬ではあるが、もっとも好走馬の多いパターンに入っている。この牝馬、長くとどまっていた1600万条件で打ち止めかと見えたが、6歳末にオープン入りしたあと、目下重賞レースで「0秒3、0秒1、0秒2」差。衰えどころか今がピークにも近い。
追い込み一手の7歳牝馬だから、成績のわりに人気にはならない。だから、目下7戦連続して「人気を上回る着順」である。
追い込みタイプが小回りコース不向きとは限らない。切れが生きるのは、むしろ小回りだからこその場合もある。先週の皐月賞前日の中山最終レース、4コーナー最後方から短い直線だけで10数頭をゴボウ抜きで2着したシンボリハミルトンは、横山典弘騎手。13年のラジオNIKKEI賞を後方から内ラチ沿いを一気にすりぬけたケイアイチョウサン(8番人気)も、それまであまり福島には行かなかった横山典弘騎手であり、3コーナーから外をぶん回って…という追い込みはめったにしない。もちろん、はまれば…だが、パワースポットの可能性は決して低くないと思える。父スズカマンボ(その母の父キングマンボ)も、05年の天皇賞・春を後方からイン強襲を決めて勝った馬だった。
母の父パラダイスクリークは、9歳時、10歳時に小倉大賞典を連勝して、11歳までに11勝もしたタフガイ=アサカディフィートの父である。アサカディフィートの11勝は、すべて1番人気ではない。パワースポットの全連対7回も、すべて1番人気ではない。まさかとは思うが、今回、1番人気になどならないことを願いたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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