大正解の直線勝負/京成杯AH

2015年09月14日(月) 18:00


逃げ切りがまったくみられなかった週

この週、芝のレース(平地、Bコース)は計12鞍行われたが、開幕週にもかかわらず「逃げ切り勝ち」は1頭も出現しなかった。これは、2014年の芝コースの路盤の改修以降に顕著に見られる傾向で、開催前に芝のクッション性確保のためのエアレーション作業が実施される。バーチドレンによる芝コースの穴あけ作業である。今回の実施もJRAホームページの馬場情報で発表されている。開幕週の良馬場だから、けっして時計は遅くはないものの、クッション性の高められた芝は、弾むようなフットワークのバネで加速し、軽快なスピードでがまんできる馬場ではない。

 まして、芝の内側半分は傷んだ芝を張り替えたところに、バーチドレンを入れてのエアレーション作業だから、見た目は緑の絨毯(じゅうたん)のような芝は、その通りソフトな芝コンディションであり、外側よりさらにパンチがないとこなせないタフな芝コンディションになっているのではないかと推測される。

 京成杯AHのレース全体は「47秒0-46秒3」=1分33秒3。落ち着いた流れで、前半1000m通過は「58秒7」のスローだった。2013年までの芝コンディションなら、このペースだと上がり「33秒台前半」で伸びる馬が続出し、中には上がり33秒を切ろうかという鋭い切れを爆発させる馬さえいたかもしれない。

 しかし、このペースながらレース上がりは「34秒6」にとどまり、実力のわりにちょっとハンデが厳しいかと思えた中京記念のスマートオリオン57.5キロは、寄られる不利も重なって「15着」に失速。関屋記念のレッドアリオン58キロは、なんとしんがり「16着」に沈んだ。  勝った13番人気の7歳フラアンジェリコ(父ネオユニヴァース)は、4コーナーにさしかかるまでほとんど最後方を追走。外に回ってから馬群を割って直線一気を決めたが・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す