調教師の通算勝利数記録

2015年10月16日(金) 18:00


◆NARグランプリ各賞の行方にも注目

 ここ何日かで、勝利数に関する記録達成のニュースがいくつかあった。

 まずは13日、大井の的場文男騎手が大井第12レースを勝って地方通算6800勝。的場騎手は15日現在今年124勝で、これで年間100勝は、なんと31年連続32度目。100勝の区切りは少なくとも年に1回はあるのだから、6800勝はあえて取り上げるほどのことでもないのだが、しかしここまで来ると佐々木竹見さんの通算7153勝(うち中央2勝)という日本記録の更新も、ひょっとするとと思えるようになってきた。年間100勝ずつのペースを継続すると仮定して、あと3年ちょっと。そのとき、的場騎手62歳。果たして……。

 日付は前後するが、10月7日には名古屋の角田輝也調教師が地方通算2600勝を達成した。騎手の通算勝利数の記録はよく話題になるが、調教師のそれは、なぜかあまり話題になることがない。

 果たしてこの2600という数字は、地方競馬の現役調教師では3位という成績。1位は高知の松木啓介調教師で2680勝(10月15日現在)、2位も同じく高知で雑賀正光調教師が2642勝(同)。雑賀調教師は2011年以降毎年200勝以上を記録していて、松木調教師は年間100勝台前半なので、雑賀調教師が逆転して現役トップになるのは時間の問題と思われる。

 さて、歴代ではということになると、田原義友さん(益田)3015勝、渡邊進さん(益田)2912勝という記録が残っているが、これは完全な数字ではない。1973年4月以降の数字で、ともにそれ以前の+αがあるものと思われる。

 現役上位3名の調教師のいずれかは、1973年以降での歴代最多勝記録更新を、向こう2、3年のうちに達成する可能性が高くなっている。

 さて、そろそろ今年もNARグランプリ各賞の行方が気になってくる時期。調教師の勝利数リーディングでは、今年も雑賀正光調教師が独走……だった。少し前までは。ところがここに来て角田輝也調教師が急接近。2600勝を達成した10月7日には1日6勝を挙げるなど急激に勝ち星を伸ばしてきたようだ。

 10月15日現在、雑賀調教師180勝に対して、角田調教師173勝。雑賀調教師が逃げ切って2011年から5年連続となるのか、それとも角田調教師が2009年以来6年ぶりの返り咲きなるのか。こちらの記録にも注目だ。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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