大井の新スタンド『G-FRONT』

2015年10月23日(金) 18:00


充実した施設や最新の設備が満載

 いよいよ大井開催のJBCが近づき、それに先立ち、11月1日にオープンする新スタンド『G-FRONT』の落成披露式が21日に行われ、関係者に公開された。

 実は10月12〜16日の大井開催では、G-FRONTの工事用の囲いが取り払われていて外見だけは見ることができたのだが、そのときの正直な感想が、「えっ?ただの箱」というものだった。6階建てで近代的なつくりのL-WINGと並んでいるため、3階建てでほぼ直方体のG-FRONTは、なお一層そういう印象を受けた。

地方競馬に吠える

L-WING(奥)に比べると外見は地味な印象のG-FRONT(手前)

 ところが、中を案内されて、びっくり。充実した施設や最新の設備が満載だった。

 1階は、カレーやさん、うどんやさん、丼ものやさんが入っているフードコートで、これはまあ普通。JRAの競馬場のフードコートをこぢんまりとした感じだ。

 2階は「ヴィクトリーシート」と呼ばれる2人がけの指定席で、これもまあ普通。1000円で1日座って競馬が見られると思えばお得だ。専用のモニターなどはないが、外のビジョンがよく見えるし、天井にも十分なだけのモニターが設置されている。

 2階で驚いたのは、トイレとパウダールームだ。トイレが綺麗なのはもちろんだが、女性用にはトイレとは別に、シンプルではあるもののおしゃれなパウダールームがある。デパートのパウダールームをイメージして設計されたとのこと。見学した女性の方々は、みなさん一様に感激していた。

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トイレとは別にあるパウダールームは女性に大好評

 そして最新設備は、3階の「プライムシート」(3000円)。国際線のファーストクラスを思わせる、ひとりひとり仕切られた席(さすがにリクライニングはできないが)には専用の大型モニターが設置されている。そのモニターはタッチパネル式になっていて、レースやオッズが見られるのはもちろんのこと、キャッシュレスで投票ができ、なんと!過去のレースやパドックまで検索して見ることができるのだ。

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専用モニターでキャッシュレス投票ができるプライムシート

 在宅で競馬を楽しんでいるというファンなら、スカパー!かパソコンで中継を見ながら、馬券検討の際に必要であればパソコンでデータや過去のレースを検索するなどして、投票というのが一般的なパターンだろう。在宅投票と同じ状況を、パソコンなしで、競馬場で実現させたのが、この「プライムシート」なのだそうだ。

 キャッシュレスで投票をするには、会員になる必要がある。「TCKプレミアムカード」をつくって継続会員になれば、チャージしてある金額や、的中した時の払い戻しを1日ごとに精算する必要がなく、後日に持ち越せる。さらにポイントも付いてさまざまなサービスに利用できる。「TCKプレミアムカード」の会員にならずにキャッシュレス投票を利用する人のために、その日限りの「当日会員」もある。

 また3階には4名用の「プライムボックス」、8名用の「プライムルーム」という個室もあり、そこでももちろんプライムシートと同じように、キャッシュレス投票や、大型専用画面が利用できる。

 G-FRONT 3階の「プライムシート」「プライムボックス」「プライムルーム」は、競馬ファンならとにかく一度は利用してみたいと思わせる施設であることは間違いない。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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