2015年11月28日(土) 12:00
さて、今週はジャパンCです。外国馬が3着以内に来たのは06年のウィジャボード、勝ったのは05年のアルカセットが最後。日本馬は勝てない時代から、日本馬でも勝てる時代を経て、今や外国馬が勝つのは難しい時代を迎えています。軸馬は日本馬から選びましょう(逆に、穴を狙うなら外国馬だったりして?)。
去年までの10年間で3着以内に来た日本馬28頭のうち27頭には共通点があります。以下の実績のうち、どれかをマークしていたことです。
(1)日本ダービーまたはオークス3着以内、(2)天皇賞・秋またはジャパンC4着以内。そして、天皇賞・秋またはジャパンでC4着という実績しかない馬には、G1か東京2400メートル以上の古馬重賞を勝った経験がありました。やっぱり東京のG1(2000メートル以上)や長距離古馬重賞実績が大事ということです。
今年、この条件をみたすのは、ショウナンパンドラ(天皇賞・秋4着+秋華賞優勝)、ミッキークイーン(オークス優勝)、ラブリーデイ(天皇賞・秋優勝)、ワンアンドオンリー(ダービー優勝)の4頭だけ。外国馬や上記の実績がないのに優勝した08年のスクリーンヒーローのような馬が“例外的に”激走しなければ、この4頭が1〜3着する!と断言しちゃいましょうか?(と疑問符を付けているところが私らしいでしょ。だって、ゴールドシップを消しちゃおうとしているわけですから)
中でも期待したいのはミッキークイーン。3歳牝馬のジャパンC制覇は12年のジェンティルドンナしかありませんが、ご存知のように同馬はオークス馬でした。もともとオークス馬が3歳時にジャパンCに出ることがほとんどなかったので(ジェンティルドンナの出走は00年のシルクプリマドンナ=16着以来。つまり今世紀初)、希有な例になっただけとも考えられます。近年の凱旋門賞で3歳牝馬が活躍しているように、力のある馬だったら牡馬や古馬との重量差を味方に好走できるはず。ミッキークイーンを頭に他の3頭へ3連単を流してもいいと思うのですが…(この書き方もいかにも私的!)。
えっ、「ミッキークイーンじゃ(今秋のテーマである)穴狙いにならないだろう」って?それはそのとおり。でも、4頭の中にワンアンドオンリーがいるでしょう?近走の成績からすれば、これが“穴中の穴”。もう1頭挙げるなら、天皇賞・秋2、3着はあっても東京2400メートル以上の重賞優勝が3歳馬限定の青葉賞しかないペルーサですかねぇ(かなり深い“穴”!)。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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