香港競馬の「3 PICK 1」をご存じですか?

2016年01月23日(土) 12:00


人気馬が勝つか、中穴馬が勝つか、人気薄の馬が勝つか

 今週、期限切れが迫っていたマイルを特典航空券に換えて台北と香港を旅行してきました。初めて行く台湾で未体験のグルメと温泉(台北から地下鉄でカンタンに行けます)を楽しむのが主目的でしたが、当然ながらそれだけでは“馬味”が足りないので、香港での競馬観戦を付け足した次第です。

 行くたびに何かしらの変化がある香港競馬。今回も新しい発見がありました。それは、「3 PICK 1」という馬券が新設されていたこと。大ざっぱに言えば、人気馬が勝つか、中穴馬が勝つか、人気薄の馬が勝つかを3択で当てるものです。

 香港では開催日の翌日に次の開催の出馬表が確定し、馬券の前売り発売が行われます。「3 PICK 1」は、開催前日までの単勝オッズにしたがって、出走馬を「A1=1、2番人気」、「A2=3〜5番人気」、「A3=6番人気以下」の3グループに振り分け、そのうちのどのグループに入っている馬が勝つかを当てます。

 もちろん、選択肢が3つしかないので、よほどのことがない限り大した倍率にはなりません。私が行った20日(ハッピーバレーのナイター競馬)の結果は以下のとおりでした。

 ご覧のように、「3 PICK 1」の倍率が3倍を超えたのはA2グループの馬が勝った第7レースだけ。1点で当てなきゃ意味がない馬券です。ちなみに、第4、第8レースで単勝1番人気馬が勝っているのに、「3 PICK 1」ではA2グループ(3〜5番人気馬が入る)が的中となっているのは、そう、前売りオッズと最終オッズで人気が入れ替わったためです。

 香港競馬は「Quartet」(4連単)や「6up」(6重勝)、「Triple Trio」(指定された3レースの3連複を当てる)など、超高額配当続出の“宝くじ馬券のおもちゃ箱”ですが、「3 PICK 1」はそれとは真逆の発想で“開発”されたもの。ルーレットの“縦一列賭け”(1、4、7〜、2、5、8〜、3、6、9〜と並ぶ列のどれかに賭ける)や“大中小賭け”(1〜12、13〜24、25〜36のグループのどれかに賭ける)に似ています。

 そこには、(たぶん、中国本国の)大金を持っているビギナーの方にドカンと賭けてもらおうという意図が感じられます。これも香港競馬の企業努力なんでしょうね。

 で、そんな大金を持ち合わせていない私は、一攫千金を夢見てチマチマ馬券を買い、“始めチョロチョロ終いはズブズブ”。結局今回も香港ドルを預け入れてきました!(いつか引き出してやる!!!)

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

関連情報

新着コラム

コラムを探す