優秀女性騎手賞受賞! 名古屋・木之前葵騎手&高知・別府真衣騎手

2016年02月16日(火) 18:00

別府真衣騎手と木之前葵騎手

別府真衣騎手(左)と木之前葵騎手(右)


【優秀女性騎手賞初受賞:名古屋・木之前葵騎手】

赤見:優秀女性騎手賞初受賞、おめでとうございます!

木之前:ありがとうございます。目標にしていた賞だったので、受賞できてとても嬉しいです。

赤見:艶やかなお着物ですね。

木之前葵騎手

艶やかな着物の木之前葵騎手

木之前:今日一緒に来ているんですけど、母に着付けてもらいました。姉が成人式の時に着た着物なんです。今日着ることができて、すごく嬉しいです。

赤見:2015年はデビュー3年目でしたが、本当に飛躍の年になりましたね。

木之前:1年目は右も左もわからず、先輩たちにいろいろ教えてもらいながら乗っていましたが、2年目は少しわかって来て、多少ですが馬の上で余裕が出て来たかなと思います。でもまだまだで、怒られて泣きながら乗っていることも多かったです(苦笑)。去年は3年目で、馬に乗るのが本当に楽しくて楽しくて。調教中は辛いこともありますが、その辛さがあってこそ、勝った時にかけがえのない喜びに感じますね。

赤見:2015年を改めて振り返っていただきたいのですが、まずは2月の高知・新人王争覇戦競走では総合2位という結果でした。

木之前:2戦して1勝できたのは嬉しかったです。同期の2人(井上幹太騎手、笹川翼騎手)がやりあっていたので、しめしめと思っていました。3、4コーナーの中間ではもう前が苦しそうだったので、これは差し切れるなと。とても乗りやすい馬で、落ち着いて競馬をすることが出来ました。総合ポイントで2位だったのは悔しいですが、勝てたことが嬉しかったです。

赤見:そして、5月9日にイギリスのリングフィールド競馬場で行われたアブダビのファティマ・ビント・ムバラク殿下主催のレディースワールドチャンピオンシップ第8戦で、Man of Dreams号に騎乗し優勝しました!

木之前葵騎手

初の海外遠征となったイギリスで優勝した木之前葵騎手

木之前:本当に運が良かったです。最初に遠征のお話が来た時は、行先はモロッコって言われていたんですけど、その後イギリスってなって、憧れの地だったのでワクワクしていました。わたしは海外自体が初めてだったので慌ててパスポートを取って。今回は母と一緒に行って来ました。時差ボケもあって体調は万全ではなかったのですが、リラックスして馬に乗ることが出来ました。日本とブラジル以外の方はプロではなくてアマチュアの方だったので、慣れていないのか遠慮している感じでした。みんなが遠慮している間に前に行って、ジーっとしていて。直線も馬がよく頑張ってくれましたね。ここで勝ったことで最終戦のアブダビにも行けて、本当に貴重な経験になりました。また機会があれば、ぜひ海外に行ってみたいです。

木之前葵騎手

アブダビでのレセプションにて

赤見:さらに、今年は名古屋の大先輩・宮下瞳さんが復帰に向けてがんばっていますが、その姿を目の当たりにしていかがですか?

木之前:わたしが騎手になるきっかけをくれた憧れの方なので、復帰を目指しているということですごく嬉しいです。子育てしながらで大変なことも多いと思いますが、宮下さんががんばっている姿を見てすごく刺激を受けています。少しでも近づけるように、わたしもがんばります!

赤見:では、今年の目標を教えて下さい。

木之前:今年の目標は、後悔しないレースをすることです。相手や人気馬をちゃんと見て、冷静にレースできるようになりたいです。

【優秀女性騎手賞7度目の受賞:高知・別府真衣騎手】

赤見:優秀女性騎手賞7度目の受賞、おめでとうございます!デビューから11年で7度目の受賞ですからすごい数字ですね。

別府:ありがとうございます。自分でも7度もいただいているのかと思いびっくりです。本当に嬉しいですね。2014年は受賞することができなくて、ものすごく悔しかったので…。また受賞することができて、本当に嬉しいです。

別府真衣騎手

笑顔の別府真衣騎手

赤見:韓国に長期遠征後、2014年辺りは少しリズムを崩したと仰ってましたね。

別府:そうなんです。ソウル競馬場は日本とは全然違うコース形態で直線も長いので、いかに最後まで脚を溜められるかだったんですけど、高知は特に先行することが大事ですから、そのリズムがなかなか戻らなくて。海外遠征自体は精神力をすごく強くしてくれて、とても成長できたと思うんですが、レースのリズムが取り戻せないことに焦りもありました。去年の前半はまだ引きずっていたんですけど、後半はだんだん良くなって、自分らしい積極的なレースが取り戻せたと思います。

赤見:年間71勝、すばらしい数字でした。

別府:たくさんのいい馬に乗せてもらったので、自分ではまだまだだと思います。取りこぼしもいっぱいあったので、満足できる数字ではないですね。

赤見:後輩も伸びて来て、JRAでも新たに女性騎手がデビュー。さらに、女王・宮下瞳さんも復帰に向けてがんばっているということで、女性騎手がかなり盛り上がりそうですね。

別府:本当に嬉しいですね。一時期に比べると女性騎手が減ってしまって、女性騎手だけのレースもできなくなってしまって淋しいです。全国でみんながんばっているので、わたしも負けたくないなと刺激を受けています。瞳さんは憧れの人なので、復帰はすごく嬉しいです!

赤見:では、目標を教えて下さい。

別府:宮下瞳さんの持つ、女性騎手最多勝記録の626勝を越えることです。今579勝(2016年2月15日現在)なので、今年達成できるようがんばります!

***

 来月行われる、レディス&ヤングジョッキーズシリーズで、地方競馬で活躍中の5名の女性騎手が集結します! 3月4日名古屋、3月12日佐賀で開催されますので、こちらの戦いもお見逃しなく。

レディス&ヤングジョッキーズシリーズ開催

※地方競馬全国協会のHPに移動します。

レディス&ヤングジョッキーズシリーズ

2015年のレディス&ヤングジョッキーズシリーズでの集合写真

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常石勝義

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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