「落馬事故」について ジョッキーとしての葛藤

2016年03月15日(火) 18:00

小牧太

「落馬事故」についてジョッキーとしての葛藤をストレートに明かしてくれました

今回のテーマは「落馬事故」からスタート。「落馬事故を減らすには?」「浜中騎手の落馬はどう思う?」といったユーザーからの質問に対し、ジョッキーとしての葛藤をストレートに明かしてくれました。また、最近薬物の抜き打ち検査を受けたという小牧騎手。はたしてその内容とは!?

(取材・文/不破由妃子)


閉まるかもしれないと思いながら入ることはない

──今回は「落馬」と「薬物問題」についての質問を取り上げたいと思います。まずは、「落馬事故を減らすには、競馬場の改修や枠順なども踏まえ、どうするべきだと思いますか? たとえば、競馬場を改修する際、騎手側から要望や意見を提出したりはできないのですか?」というものです。

小牧 それはもちろんできるし、実際にやってるよ。それ以前に、落馬のきっかけになるのは馬の故障も多いんでね。そればっかりは予測できないからどうしようもない。

──昔はスタートして最初のコーナーまでが短いコース形態も多かったですが、今はだいぶ減りましたよね。

小牧 そうそう、そのあたりもだいぶ改善された。気を付けて車を運転していても、事故に遭ってしまうことがあるでしょう。競馬もそれと一緒やからね。いくら自分が気を付けていてもなんせ相手があることやし、ましてや競馬は生き物に乗っているわけやから。気を付けるのは当然として、どんなに対策を施したところで逃げられへんシーンもある。

──東京新聞杯での浜中騎手の落馬についても、小牧さんの見解を聞かせてくださいというリクエストがたくさん届いています。

小牧 あれはしょうがなかったんやろうね。きっと4コーナーを回ったときには開いてたんでしょう。でも、馬がラチと接触してバランスを崩してしまった。ベテランになってくるとね、ああいうことが起こるから、狭いところに入られへんかったりする。だんだん怖くなってくるねん。とはいえ、同じシーンで自分がどうしたかはわからん。手応えがあれば入るやろうし。

──それこそ、経験に基づいた無意識の選択なのでしょうね。

小牧 そうかもしれんね。ただ・・・

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小牧太

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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