競馬の衝撃映像・貴重映像

2016年04月02日(土) 12:00


よりナマに近い質感の4K映像

 今回はまず新番組のPRを。来週4日(月)から、グリーンチャンネルで「タイムトラベル世界の競馬」という番組が始まります。

 1970〜80年代に制作された記録映画を再編集し、当時の海外競馬の様子を振り返る前代未聞の番組。4日と11日は北米編、18、25日は東欧編で、その後も欧州、オセアニア、南米編などが続々と放送される予定です。

 実は私、そのうちの東欧編にゲスト出演しました。この中で紹介されるのは、ソ連、東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリーの競馬。どこも、私がまだ行ったことのない国ばかりです。

 なのにどうして私が呼ばれたかというと、「たぶん近々、これらの国のどこかへ行く可能性が高い人だから」とのこと。まぁ確かに、北欧と東欧は行ってみたいところではあるのですが…(苦笑)。

 それはさておき、この東欧編は必見です。ソ連時代のモスクワ競馬を紹介する映像では、当時行われていた「東欧圏国際競走」の様子が見られますし、チェコスロバキアの競馬レポートには、知る人ぞ知る障害のビッグレース「ヴェルカパルドゥビツカ」の“衝撃映像”(?)が含まれています。

 これらはかなり貴重なもの。もちろん、東欧編以外の各回にもそういう映像がタップリ収められているので、録画しておくことをお忘れなく(ただし、何かにアップロードするのは厳禁ですよ!ルールは守ってくださいね)。

 ところで、貴重映像と言えば、先日、高画質の4Kで収録した競馬のレースに“MA付け”(音声付け。今回の場合は番組司会と同様のナレーション)を行いました。残念ながら一般公開されるものではなく、みなさんにご覧いただく機会はないと思いますので、その際に見た4Kの映像(今年2月のクイーンCを収録)について、印象をご紹介しておきましょう。

 4K映像が最も威力を発揮したのは、向正面から3コーナーにかけての馬群全体をとらえた画面。現行のハイビジョン映像では、各馬の勝負服に使われている色の識別はできますが、そのデザインまでは、対象物が遠すぎて判別できません。また、例えば青と赤が配色された勝負服だと、お互いの色が混ざり合って見えてしまいます。ところが、4Kでは、色が混ざり合うことがなく、デザインもかなりの精度で識別できるのです。

 そのほか、光の当たり具合による陰影や色合いの違いも細かく映し出されるので、馬の皮膚の質感はよりナマに近い状態で感じ取ることができます。風にそよぐ芝生、舞い上がる砂も立体的に見えました。これはいいですねぇ。

 今はまだ“未来技術”の域を脱していない4K映像ですが、まぁそのうち当たり前のものになるはずです。そうしたら、競馬中継の画面も一段ときれいでわかりやすくなります。その日が来るまで、もうしばらくお待ちください。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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