レース展開、アクシデント…ジョッキーならではの葛藤に迫る

2016年04月19日(火) 18:00

小牧太

今回は少々深い『太論』。ベテランジョッキーならではの葛藤に迫ります

今回は、ユーザーからの質問をきっかけに、少々深い『太論』を。「この答えでは納得してくれへんのかもしれんけど…」と逡巡しながらも、ジョッキーとしての率直な意見を語ってくれました。また、レース中の競走馬の異変についても、持論を展開。ベテランジョッキーならではの葛藤に迫ります。

(取材・文/不破由妃子)


競馬は予測ができんからギャンブル

──少し前のレースについての質問なんですが、「2月27日阪神9Rのデムーロ騎手(ショウボート・1番人気)の騎乗について、騎手ならではの見解をお願いします。2番枠からスタートして控え、スローペースを抜け出せずまったく追わずに終了しました(10着)。馬券を買ってる側が納得がいかないのは騎手の方たちもわかっているとは思いますが、騎手目線で考えた場合、あの騎乗は仕方ない感じですか? 確かに馬群に突っ込むのは危険ですしね。スローペースのインにいたらタイミングよく前が空かない限り仕方ないですか?」というものです。

小牧 あれは行くところがなかったからでしょう。それは仕方がない。そういうときもあるっていうことやねん。行き場がないときもあんねん。

──ミルコもレース後、「今日は内枠で何もできなかった」とコメントしていますね。

小牧 スローペースになると囲まれるから、出られへんことも多いし、一方でうまいこと前が開くこともある。まぁ僕が「そういうこともある」って答えたところで、質問してくれた人は納得せえへんのかもしれないけど…。

──内枠から外に持ち出すのもリスクがありますしね。馬のタイプにもよるのでしょうが、他の馬の出方や流れにも左右されるでしょうし、何が正しかったのかは結果論でしかない。

小牧 そうやね。そういう・・・

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小牧太

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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